テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、痛みが落ち着いてきた段階になると「筋トレをして肘を強くしたい」「もう再発したくない」と考える方が増えてきます。しかし、鍛える時期や方法を間違えると、かえって前腕の腱に負担をかけてしまうこともあります。ここでは、筋トレを取り入れるタイミングの考え方と、再発予防のためのセルフケアの視点を整理します。テニス肘とはの基本と合わせてご覧いただくと、全体像がつかみやすくなります。
肘の痛み(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)を「動き」と「全身のつながり」で捉える視点
肘の痛みは、肘まわりの筋肉や腱の付着部(外側にも内側にも起こり得ます)への負担が積み重なって生じる「動きの小さなエラー」として捉えられます。前腕から手首・肘にかけての筋膜(ファシア)の滑走性が低下し、肘や手首の関節の副運動(小さな遊びの動き)が乏しくなることで、同じ部位に負荷が繰り返しかかりやすくなると考えられています。当院ではそこに触れて変えるのではなく、体本来の反応を引き出すことを目指した施術を行います。
また肩甲骨の位置や姿勢の崩れがあると腕全体の使い方が変わり、そのしわ寄せが肘に集中しやすくなるとされています。局所へのアプローチに加え、姿勢や血流・リンパの循環など全身のつながりから体を整える視点を組み合わせ、局所は構造と動きの理解、全身は循環という役割分担で自然治癒力が働きやすい環境づくりをサポートすることを目指しています。
なお本セクションは診断や治療、効果を保証するものではなく、強い痛みやしびれがある場合は医療機関の受診をおすすめします。
筋トレはいつから始めてよいか
テニス肘の痛みが強い急性期に、前腕や握力を鍛えるトレーニングを行うのはおすすめできません。炎症や腱への負担が残っている段階で負荷をかけると、痛みが長引く一因になりかねないためです。目安としては、日常動作(物を持つ、手首を反らす等)での痛みがかなり落ち着き、安静時にほとんど気にならなくなってから、軽い負荷から少しずつ試すという考え方が一般的です。痛みが再び出るようであれば、無理をせずに一旦中止することが大切です。
筋トレの前に確認したいこと
自己判断だけで負荷を上げていくのは避けたいところです。特に痛みが長引いている場合や、しびれ・力の入りにくさを伴う場合は、自己流のトレーニングを進める前に整形外科を受診し、現在の状態を確認してもらうことをおすすめします。当院のような整骨院でも、肘まわりの状態や日常の使い方を確認しながら、トレーニングを始める時期について一緒に考えることは可能ですが、診断や治療そのものは医師の領域になります。
前腕・握力トレーニングの基本的な考え方
痛みが落ち着いた段階で取り入れられることが多いのが、前腕伸筋群や握力に関わる筋肉を軽い負荷から動かしていく方法です。
手首の運動から始める
軽いダンベルやペットボトル程度の重さを使い、手のひらを下に向けた状態でゆっくり手首を反らす・戻すという動きを、痛みの出ない範囲で行う考え方があります。回数や重さを一気に増やすのではなく、少しずつ段階を踏むことが基本です。
握力・前腕のトレーニング
グリップトレーナーなどを使って握る・緩めるを繰り返す運動も、前腕の筋肉を使う機会になります。ただし強く握り込みすぎると肘外側への負担になることもあるため、痛みの有無を確認しながら進めることが大切です。関連する動きはテニス肘のストレッチとあわせて、ストレッチと軽い筋トレを組み合わせて行う考え方もあります。
筋トレを行ううえでの注意点
- 痛みが出たらその場でやめる、翌日に痛みが残っていたら数日休む、というように無理をしないこと
- 急に重さや回数を増やさず、段階的に負荷を上げること
- フォームが崩れると別の部位に負担がかかることもあるため、正しい姿勢で行うこと
- 筋トレを行えば必ず再発を防げる、というものではなく、あくまで日常の負担軽減と組み合わせるセルフケアの一つとして考えること
強い痛みが続く場合や、トレーニングを始めても改善の兆しが見えない場合は、自己判断を続けず医療機関に相談することをおすすめします。
再発予防のために意識したいこと
テニス肘は一度落ち着いても、同じ動作の繰り返しや急な負荷の増加で再び痛みが出ることがあります。再発予防の考え方としては、次のような点が挙げられます。
- ラケットのグリップサイズやフォーム、パソコン作業時の手首の角度など、日常やスポーツ動作の見直し
- 前腕のストレッチと軽い筋トレを継続的に組み合わせること
- 長時間同じ動作を続けるときは、こまめに休憩を挟むこと
- テニス肘の安静期間の目安を踏まえ、痛みが完全に落ち着く前に負荷の大きい動作へ戻らないこと
こうした積み重ねが、再発しにくい状態を目指すうえでの一つの視点になります。
肘の痛みとKIRIN整体(当院のケアの考え方)
一宮整骨院〜Seri〜では「KIRIN整体」という考え方に基づき、体の状態を確認しながらコンディショニングを行っています。肘の痛みに対しても、次の4つの視点から状態を確認します。
- ①関節と筋膜を整える:肘や前腕まわりの関節の動き、筋膜の状態を確認します。
- ②神経の通り道を整える:腕から手にかけての神経の通り道に負担がかかっていないかを確認します。
- ③姿勢と全身のつながりを整える:肩や体幹の姿勢が腕の使い方に影響していないかを見直します。
- ④呼吸と巡りを整える:呼吸のしやすさや全身の巡りにも目を向け、体全体のバランスを確認します。
これらは体の状態を確認しながらケアの方向性を考える視点であり、テニス肘・ゴルフ肘(肘の痛み)そのものを治す・治療するものではありません。
まとめ
テニス肘の筋トレは、痛みが落ち着いた段階で、軽い負荷から少しずつ取り入れていくという考え方が基本です。急性期に無理をして鍛えようとすると、かえって回復の妨げになることもあります。トレーニングの時期や方法に迷うとき、あるいは痛みが長引く・しびれを伴うといった場合は、整形外科での確認や、整骨院でのケア相談も選択肢の一つです。
こんな方はご相談ください
一宮市でテニス肘・ゴルフ肘(肘の痛み)のご相談は一宮整骨院〜Seri〜へ。名鉄尾西線・苅安賀駅 徒歩8分。お電話(058-652-4101)またはご予約フォーム(/contact)から。
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、肘の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. テニス肘のときに筋トレをしてもいいですか?
A. 痛みが強い時期は避けたほうがよく、落ち着いてから軽い負荷で始めるのが一般的です。痛みが出る動作は無理に続けないでください。始める時期や強さは、医師や専門家に確認すると安心です。また、回数や頻度を増やしすぎず、少しずつ慣らしていくことも大切です。
Q. 再発予防のためにどこを鍛えればよいですか?
A. 前腕の筋肉に加え、肩甲骨まわりや体幹の安定も大切といわれます。肘だけに負担を集めない体の使い方を意識すると、予防につながる場合があります。強さは痛みの出ない範囲にとどめ、無理のない回数で行いましょう。
Q. 筋トレの進め方を整骨院で相談できますか?
A. 痛みの様子や生活動作を確認し、無理のない範囲の動かし方をご提案できます。ただし当院は柔道整復師であり、医師ではないため診断はできません。強い痛みやしびれがある場合は整形外科の受診をおすすめします。整形外科で状態を確認したうえで、日常でできる範囲の運動を相談しておくと安心です。






