テニス肘(上腕骨外側上顆炎)で整形外科を受診すると、症状によっては「注射」という選択肢が話題になることがあります。ステロイド注射という言葉を聞いて不安になった方、逆に「注射をすれば早く楽になるのでは」と期待している方もいるかもしれません。ここでは、テニス肘の治療で検討されうる注射や処置について、一般的に知られている範囲で整理します。診断や治療方針の決定は医師の領域であり、本記事は受診前の理解を助けるための一般的な解説にとどまります。
肘の痛み(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)を「動き」と「全身のつながり」で捉える視点
肘の痛みは、肘まわりの筋肉や腱の付着部(外側にも内側にも起こり得ます)への負担が積み重なって生じる「動きの小さなエラー」として捉えられます。前腕から手首・肘にかけての筋膜(ファシア)の滑走性が低下し、肘や手首の関節の副運動(小さな遊びの動き)が乏しくなることで、同じ部位に負荷が繰り返しかかりやすくなると考えられています。当院ではそこに触れて変えるのではなく、体本来の反応を引き出すことを目指した施術を行います。
また肩甲骨の位置や姿勢の崩れがあると腕全体の使い方が変わり、そのしわ寄せが肘に集中しやすくなるとされています。局所へのアプローチに加え、姿勢や血流・リンパの循環など全身のつながりから体を整える視点を組み合わせ、局所は構造と動きの理解、全身は循環という役割分担で自然治癒力が働きやすい環境づくりをサポートすることを目指しています。
なお本セクションは診断や治療、効果を保証するものではなく、強い痛みやしびれがある場合は医療機関の受診をおすすめします。
注射が検討されるのはどのような場面か
テニス肘の対応は、多くの場合まず安静や日常動作の見直し、湿布や消炎鎮痛薬、装具(エルボーバンド)、理学療法といった保存的なケアから始まります。テニス肘の治療の記事で触れているように、こうした対応でも痛みが強く残り、日常生活や仕事に支障が続く場合に、医師の判断で注射という選択肢が検討されることがあります。どのタイミングでどの処置を選ぶかは、症状の程度や経過、生活背景などを踏まえて医師が総合的に判断するものであり、一律の基準があるわけではありません。
ステロイド注射とはどのようなものか
ステロイド注射は、炎症を抑える作用のある薬剤を痛みのある部位周辺に注射する処置です。一時的に痛みの軽減が期待できるとされる一方で、繰り返しの使用については腱への影響を懸念する声もあり、実施の可否や回数、間隔は医師が個別に判断します。効果の程度や持続期間には個人差があり、「注射をすれば必ず改善する」といった保証はできません。あくまで医師が診断のうえで適応を見極め、患者にリスクとメリットを説明したうえで行う医療行為です。
体外衝撃波療法など他の処置
近年は、体外衝撃波を患部に当てる治療法など、注射以外のアプローチが選択肢として紹介されることもあります。難治性の症例に対して検討される場合があるとされていますが、こちらも実施できる医療機関が限られていたり、適応が症例ごとに異なったりするため、詳細は受診先の医師に確認する必要があります。いずれの処置も、まずは整形外科での診察・検査を経て方針が決まるという点は共通しています。
注射を検討するときに知っておきたいこと
注射は医師が行う医療行為であり、整骨院では行うことができません。当院のような柔道整復の施術所では、診断や投薬・注射・手術といった医療行為は行わず、日常動作の負担軽減の相談や、肘まわりの状態確認、セルフケアの助言といった範囲でサポートしています。痛みが強い、しびれを伴う、安静にしていても改善の兆しが見えないといった場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに整形外科を受診することをおすすめします。何科を受診すればよいかについても、あわせて確認しておくと受診の際に迷いにくくなります。
セルフケアと医療機関でのケアの役割分担
注射やその他の医療的な処置は、痛みが強く保存的なケアだけでは対応が難しい場合に医師が検討するものです。一方で、日常生活での負担を減らす工夫や、痛みが落ち着いてきた段階でのセルフケアは、医療機関でのケアと並行して取り組める部分でもあります。テニス肘とはで全体像を確認しながら、自分の症状が今どの段階にあるのかを整理し、必要に応じて医療機関と整骨院それぞれの役割をうまく使い分けていくことが大切です。
肘の痛みとKIRIN整体(当院のケアの考え方)
一宮整骨院〜Seri〜では「KIRIN整体」という考え方に基づき、体の状態を確認しながらコンディショニングを行っています。肘の痛みに対しても、次の4つの視点から状態を確認します。
- ①関節と筋膜を整える:肘や前腕まわりの関節の動き、筋膜の状態を確認します。
- ②神経の通り道を整える:腕から手にかけての神経の通り道に負担がかかっていないかを確認します。
- ③姿勢と全身のつながりを整える:肩や体幹の姿勢が腕の使い方に影響していないかを見直します。
- ④呼吸と巡りを整える:呼吸のしやすさや全身の巡りにも目を向け、体全体のバランスを確認します。
これらは体の状態を確認しながらケアの方向性を考える視点であり、テニス肘・ゴルフ肘(肘の痛み)そのものを治す・治療するものではありません。
まとめ
テニス肘の治療における注射は、保存的なケアで改善が見られにくい場合などに医師の判断で検討される医療行為であり、その適応や効果の見通しは症例によって異なります。整骨院では注射などの医療行為は行えないため、強い痛みやしびれがある場合はまず整形外科を受診し、日常のセルフケアや負担軽減については施術や相談を通じてサポートを受けるという形で、無理なく付き合っていくことをおすすめします。
一宮市でテニス肘・ゴルフ肘(肘の痛み)のご相談は一宮整骨院〜Seri〜へ。名鉄尾西線・苅安賀駅 徒歩8分。お電話(058-652-4101)またはご予約フォーム(/contact)から。
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、肘の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。






