「体を動かした方がいいのか、それとも休ませた方がいいのか」。起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい/OD:立ち上がったときに血圧や心拍数をうまく調整できず、立ちくらみや倦怠感などが起こる状態)のあるお子さんを見ていると、運動との付き合い方に迷う保護者の方は少なくありません。
動かさなすぎても体力や筋力が落ちてしまいますし、無理をさせても症状がつらくなってしまいます。この記事では、起立性調節障害とはどのような状態かを踏まえたうえで、家庭で取り入れやすい軽い運動の考え方と、注意しておきたいポイントを整理してご紹介します。なお、運動の可否や強度については、必ず主治医の指示を優先してください。
運動していいのか―臥位や座位からゆっくり始める考え方
起立性調節障害は、立ち上がったときに本来働くはずの血圧・心拍の調整機能がうまく働きにくくなっている状態と考えられています。そのため「まったく動かない」ことが安全というわけではなく、体を動かさない期間が長引くと、筋力の低下や自律神経の働きそのものがさらに乱れやすくなる可能性があるとされています。
家庭で運動を取り入れる際は、いきなり立ち上がって動くのではなく、横になった姿勢や座った姿勢から少しずつ体を動かし始めることが工夫の一つとして紹介されています。立ち上がるときも、30秒程度かけてゆっくりと、頭を下げるようにしながら起き上がり、最後に頭を上げるようにすると、脳への血流が急に不足するのを防ぎやすいとされています。焦らず、体調が落ち着いている時間帯から少しずつ始めることが大切です。
おすすめの軽い運動と控えたい運動
軽い運動としては、毎日30分程度のウォーキングのような負担の少ない運動を継続することが、筋力の低下や自律神経の働きの悪化を防ぐ観点から勧められる場合があるとされています。水泳のように水の圧力の助けを借りられる運動も、体への負担が少ない運動として紹介されることがあります。
一方で、激しい運動や高温多湿な環境での運動、長時間立ちっぱなしになりやすい競技(サッカー、バスケットボール、テニス、野球、陸上競技など)は、症状を悪化させることがあると考えられています。部活動などを再開する場合は、体調が比較的安定しやすい午後の時間帯から、無理のない強度で段階的に増やしていく考え方が大切です。学校や部活動の指導者にも、お子さんの状態を理解してもらえるよう伝えておくと安心です。食事や水分・塩分の工夫と運動は合わせて考えたいところで、食事の工夫もあわせてご覧いただくと、体づくりの全体像がつかみやすくなります。
下半身の筋肉と巡りを意識する
起立性調節障害では、立っているときに血液が下半身にとどまりやすく、それが脳への血流不足につながる一因になっていると考えられています。そのため、長時間立ち続ける必要がある場面では、その場で足踏みをする、足を組み替える、ふくらはぎを軽く動かすといった工夫で、下半身の血液の巡りを助けることが勧められています。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、歩く・かかとを上げ下げするといった軽い動きの積み重ねが、血液を心臓に戻す働きを助けると考えられています。日中は横になったままの時間が長くなりすぎないようにし、座った姿勢でも軽く足首を動かすなど、こまめに体を動かす習慣をつけることがセルフケアの土台になります。
やりすぎ・無理は禁物
セルフケアとして運動を取り入れる際にもっとも注意したいのは「やりすぎない」ことです。調子が良い日についがんばりすぎてしまい、翌日以降に症状が強く出てしまうケースもあると言われています。運動の強度や時間は、お子さんの体調に合わせてこまめに調整し、つらそうな様子が見られたら無理に続けさせないことが大切です。
「今日は動けた」「今日は難しかった」という日々の波があるのは自然なことで、それ自体を責める必要はありません。体調を整えていくための取り組み方の全体像については、起立性調節障害との向き合い方でも整理していますので、あわせて参考にしていただければと思います。
セルフケアを続けるコツ
セルフケアは、一度にたくさんの量をこなすことよりも、無理なく続けられる形にすることの方が大切だと考えられています。「朝は座った姿勢でストレッチをする」「夕方に短い散歩をする」など、お子さんの生活リズムに合わせて取り入れやすいタイミングを見つけることがコツです。
できたこと自体を親子で確認し合う、簡単な記録をつけてみるといった工夫も、モチベーションを保つ助けになることがあります。焦らず、体調に応じて柔軟に量を調整しながら、長い目で取り組んでいく姿勢が求められます。
体づくりという視点で
運動や生活の工夫は、起立性調節障害そのものを治療するものではありませんが、体が本来のリズムを取り戻しやすい土台を整えるサポートとして意味があると考えられています。姿勢の崩れや呼吸の浅さ、体の巡りの滞りは、自律神経の働きにも影響しうるとされており、日々の運動と合わせて体全体のコンディションを見ていくことが大切です。整体の立場からできること・できないことについては、起立性調節障害と整体でも詳しくお伝えしていますので、あわせてご覧ください。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
家庭での運動やセルフケアと合わせて、体の土台そのものを整えていきたいとお考えの場合、当院では、不調のサインだけを追うのではなく、体が本来のリズムを取り戻しやすい土台を全身から整えるという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートを行っています。なお、起立性調節障害の診断や治療は医療機関(小児科)の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
姿勢を支える関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りは、セットで働いています。長時間の同じ姿勢や体の使い方のクセで生じるこわばりを整え、無理のない姿勢を保ちやすい体をサポートします。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、体の調整がうまく働きにくくなると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながりを整える
猫背や巻き肩など姿勢の崩れは、呼吸の浅さや巡りの滞りにつながることがあります。背骨や骨盤、肩甲骨まわりのバランスを全身のつながりから整えるサポートを行います。
呼吸と巡り、自律神経のバランスを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、体の回復力や自律神経(体温・心拍・血圧などを無意識に調整している神経)のバランスに影響すると考えられています。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下にある筋肉)の動きや呼吸、血流を整え、体が休まりやすい土台づくりをサポートします。なお、これは呼吸や巡りのコンディショニングを目的としたものであり、病気を治療するものではありません。
医療機関との併用
起立性調節障害の診断・治療・お薬の判断は、小児科をはじめとする医師の領域です。当院では、まず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする、医療機関との併用というスタンスを大切にしています。
まとめ
起立性調節障害のあるお子さんの運動は、完全に休ませるのではなく、臥位や座位からゆっくり始め、体調に合わせて無理のない範囲で続けることが大切だと考えられています。やりすぎず、下半身の巡りを意識した軽い工夫を積み重ねながら、つらい症状が続く場合や運動の可否に迷う場合は、まず医療機関にご相談ください。
起立性調節障害のお子さんへの向き合い方に悩まれたときは、まず医療機関にご相談ください。そのうえで、体の土台づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で起立性調節障害のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact






