朝、何度声をかけても起きてくれない我が子を前に、「怒って起こすべきか、それとも寝かせておくべきか」と迷う保護者の方は少なくありません。学校に間に合わせたい気持ちと、つらそうな我が子を見る心苦しさの間で、毎朝同じことを繰り返している方も多いのではないでしょうか。
起立性調節障害(起立性調節障害とは)のあるお子さんにとって、朝は一日のうちでもっとも体調の調整がうまく働きにくい時間帯だと考えられています。この記事では、なぜ無理に起こすことが逆効果になりやすいのか、そのうえで家庭でできる起こし方の工夫について、医学的な情報をもとにご紹介します。なお、診断や治療そのものは医師(小児科等)の領域であり、気になる症状がある場合はまず医療機関にご相談いただくことが前提になります。
無理に起こすことが逆効果になりやすい理由
起立性調節障害では、立ち上がったときに本来は血管の収縮や心拍数の上昇によって血圧が保たれるはずの調整が、うまく働きにくくなっていると考えられています。特に朝の時間帯は自律神経(体温や心拍、血圧などを無意識に調整している神経)の働きが不安定になりやすく、体が起き上がる準備がまだ整っていない状態だとされています。朝に強い不調が出やすく、午後にかけて回復していくという症状の波については、朝起きられないのは起立性調節障害?でも詳しく触れていますが、この状態で体を強く揺さぶったり大声で叱ったりして起こそうとすると、下がったままの血圧に負担がかかり、めまいや頭痛、吐き気などがかえって強く出てしまうことがあると考えられています。
大切なのは、「起きられない」のは本人の気力や甘えの問題ではなく、体の調整機能がうまく働いていないために起きていることだという理解です。この前提を親子で共有できているかどうかが、朝の対応の土台になります。
起き上がりの工夫
起き上がるときは、急に体を起こすのではなく、時間をかけてゆっくりと段階を踏むことが、脳への血流の急な低下を防ぐ工夫として紹介されています。具体的には、ベッドの上でまず数分横になったまま体を目覚めさせ、うつむくようにしながらゆっくりと上半身を起こし、頭を最後に上げるという順番を意識する方法があります。目安として30秒程度かけて起き上がることが勧められることもありますが、これはあくまで一般的な工夫であり、お子さんの状態によって適した方法は異なりますので、詳しくは医療機関でご確認いただくと安心です。
光やカーテンの活用
朝の光を浴びることや、決まった時間にカーテンを開けることは、体内時計と生活リズムを整えるうえで役立つ工夫として広く紹介されています。起こす声かけと合わせて、部屋を少しずつ明るくしていくといった環境づくりも、体が目覚めへ向かう助けになると考えられています。ただし、光を浴びる時間帯や量について明確な数値基準が定まっているわけではないため、無理のない範囲で少しずつ取り入れる姿勢が大切です。
前夜の準備と就寝リズム
朝の起きにくさは、前の晩の眠りの状態とも関係していると考えられています。起立性調節障害のあるお子さんでは、自律神経のバランスの乱れにより、夜になっても神経の緊張が続きやすく、寝つきにくくなる場合があると指摘されています。就寝時間を大きく崩さないようにすること、就寝前のスマートフォンや強い光を控えること、日中に長く横にならないようにすることなどは、夜の入眠しやすさにつながる工夫として紹介されています。朝だけでなく、一日の生活リズム全体を整えるという視点で捉えていただくとよいかもしれません。
起きられない日の受け止め方
工夫を重ねても、どうしても起きられない日はあります。そうした日に「またか」と責める気持ちを向けてしまうと、お子さん自身がすでに感じている不安や申し訳なさをさらに強めてしまうことがあると指摘されています。起きられない日があっても、それはお子さんの努力不足ではなく、体の調整がその日たまたまうまく働かなかった結果だと捉えていただくことが、親子関係を守るうえでも大切になります。日々の関わり方全体については、起立性調節障害の子への接し方でも詳しくまとめていますので、あわせてご参照ください。
朝の水分・塩分の工夫
起立性調節障害では、循環する血液量を保つ観点から、水分は1日1.5〜2リットル程度、塩分は1日10〜12グラム程度を目安に摂ることが、学会の解説資料などで紹介されています。数値には情報源により幅がありますので、あくまで目安として捉え、詳しい量については医療機関にご相談ください。朝は特に水分や塩分が不足しがちな時間帯ですので、起床後にコップ一杯の水を飲む、味噌汁やスープなど塩分を含む汁物を朝食に取り入れるといった工夫が実践しやすいとされています。食事全体の工夫については起立性調節障害に良いとされる食べ方で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
朝の起こし方を工夫しても、体そのものが起きやすい状態に整っていなければ、なかなか変化を感じにくいこともあります。当院では、不調のサインだけを追うのではなく、体が本来のリズムを取り戻しやすい土台を全身から整えるという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートを行っています。なお、起立性調節障害の診断や治療は医療機関(小児科)の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
姿勢を支える関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りは、セットで働いています。長時間の同じ姿勢や体の使い方のクセで生じるこわばりを整え、無理のない姿勢を保ちやすい体をサポートします。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、体の調整がうまく働きにくくなると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながりを整える
猫背や巻き肩など姿勢の崩れは、呼吸の浅さや巡りの滞りにつながることがあります。背骨や骨盤、肩甲骨まわりのバランスを全身のつながりから整えるサポートを行います。
呼吸と巡り、自律神経のバランスを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、体の回復力や自律神経(体温・心拍・血圧などを無意識に調整している神経)のバランスに影響すると考えられています。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下にある筋肉)の動きや呼吸、血流を整え、体が休まりやすい土台づくりをサポートします。なお、これは呼吸や巡りのコンディショニングを目的としたものであり、病気を治療するものではありません。
医療機関との併用
起立性調節障害の診断・治療・お薬の判断は、小児科をはじめとする医師の領域です。当院では、まず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする、医療機関との併用というスタンスを大切にしています。
まとめ
朝、無理に起こそうとすることは、起立性調節障害のあるお子さんにとって症状を強めてしまう場合があると考えられています。ゆっくりとした起き上がり方や光の活用、前夜からの生活リズム、朝の水分・塩分の工夫など、家庭でできることは少しずつ積み重ねていけます。ただし、これらはあくまで日常生活の工夫であり、診断や治療は医師の領域です。気になる症状が続く場合は、まず小児科などの医療機関にご相談ください。
起立性調節障害のお子さんへの向き合い方に悩まれたときは、まず医療機関にご相談ください。そのうえで、体の土台づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で起立性調節障害のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact






