「うちの子の肩を強くして、野球肩にならないようにしてあげたい」。そう考える保護者の方は少なくありません。特に練習量が増える時期や、投手を任されるようになったタイミングで、肩のケアについて調べ始める方が多いようです。
ただ、野球肩を予防するうえで大切なのは、いきなり肩そのものを鍛えることよりも、まず肩にかかる負担を減らすという視点です。野球肩は、投球動作の繰り返しによって肩関節まわりに負担が積み重なることで生じる障害の総称と考えられています。詳しい仕組みについては野球肩の原因とはでも解説していますので、あわせてご覧ください。
「強くする」の前に、負担を減らすという考え方
投球は、下半身から体幹、肩甲骨、肩、肘へと力が伝わっていく全身運動です。そのため、肩だけを鍛えても、体幹や下半身の使い方に硬さや偏りがあると、結局は肩に負担が集中しやすいと考えられています。
「肩を強くする」ということを、肩の筋力だけを高めることと捉えるのではなく、全身の連動の中で肩への負担が偏らない体づくりと捉えることが、予防の出発点になると考えられています。実際に、肩甲骨や体幹、下半身の柔軟性・筋力低下は、投球時に肩関節へかかる負荷を増やす要因の一つとして挙げられています。
柔軟性・可動域・投球フォームを整える
肩関節の後方(棘下筋・小円筋まわり)や、肩甲骨、股関節、体幹の柔軟性が低下していると、投球のたびに肩関節への負担が増えやすいとされています。日々のストレッチや肩甲骨まわりの可動域運動は、こうした負担を軽くする工夫の一つとして紹介されることが多いです。
あわせて、体の開きが早い、肘が下がるといった投球フォームの乱れも、肩への負担を増やす要因として挙げられています。フォームの見直しは、指導者や医療機関と相談しながら、段階的に進めていくことが大切とされています。
インナーマッスルと体幹を整える
肩関節を支えるインナーマッスル(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋からなる回旋筋腱板)は、投球時の肩関節の安定性に関わっていると考えられています。軽い負荷でのチューブトレーニングなど、無理のない範囲でのインナーマッスルづくりについては、野球肩とインナーマッスルで詳しく紹介しています。
また、肩の安定は肩まわりの筋肉だけでなく、体幹や下半身の筋力・柔軟性にも支えられていると考えられています。痛みがある時期のトレーニングは負担を増やしてしまうこともあるため、肩を痛めないトレーニングの考え方については野球肩と筋トレもあわせてご参照ください。
投球数・休養の管理(公的指針を紹介)
体づくりと並んで大切にしたいのが、投球数と休養の管理です。日本臨床スポーツ医学会は、青少年の野球障害に対する提言として、全力投球数の目安を小学生は1日50球程度・週200球程度まで、中学生は1日70球程度・週350球程度まで、高校生は1日100球程度・週500球程度までとする考え方を示したとされています(提言当時の数値であり、その後各連盟で運用が更新されている点にご留意ください)。日本高等学校野球連盟も、2025年春から週500球以内の投球数制限を正式ルールとして導入したとされています。
これらの数値はあくまで目安であり、体格や成長段階によっても適した範囲は変わってくると考えられています。休養日を設けること、登板間隔をあけることも、あわせて意識したいポイントです。
このほか、予防のポイントとして、ウォーミングアップとクールダウンを丁寧に行うこと、肩甲骨まわりや股関節を含めた全身のストレッチを習慣づけること、痛みのサインを見逃さないよう指導者と保護者が普段から様子を見守る環境をつくることなども、あわせて挙げられています。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
肩を強くするための体づくりを考えるとき、当院では、痛む肩だけを診るのではなく、なぜそこに負担が集まりやすいのかを全身から探すという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートしています。なお、野球肩の診断や治療は整形外科など医師の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
肩関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りはセットで働いています。投球の繰り返しで生じるこわばりを整え、肩本来の動きを引き出すサポートを目指します。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、しびれや痛みにつながると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながり(肩甲骨・体幹・下半身)を整える
投球は、下半身から体幹、肩甲骨、肩、肘へと力が連鎖する全身運動です。肩だけでなく、肩甲骨の動き・体幹・股関節など全身のつながりから整え、肩への負担が偏りにくい体づくりをサポートします。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、回復力を下げてしまうことがあります。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下の筋肉)や呼吸、血流を整え、疲れが抜けやすい体の土台づくりをサポートします。
医療機関との併用
野球肩の診断・画像検査・治療は整形外科(医師)の領域です。当院ではまず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする併用のスタンスを大切にしています。整体でできること・できないことについては、野球肩に整体でできることでも詳しくお伝えしています。
まとめ
野球肩を予防するために肩を強くしたいと考えたときは、まず肩にかかる負担を減らす視点を持つことが大切です。柔軟性・投球フォーム・インナーマッスル・体幹、そして投球数と休養の管理を、全身のつながりの中で少しずつ整えていくことが、予防の土台になると考えられています。すでに肩に痛みがある場合は、体づくりを進める前に、まず整形外科などの医療機関で状態を確認していただくことをおすすめします。
お子さんの肩の痛みが気になるときは、まず整形外科などの医療機関にご相談ください。そのうえで、体づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で野球肩のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(苅安賀駅 徒歩8分)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact






