「階段の上り下りで膝がズキッとする」「立ち上がる瞬間に一瞬力が入らない」「正座がしにくくなった気がする」——そんな膝の違和感を抱えながら、家事や仕事、子育てをこなしている30〜40代の方、そして体のことが気になり始めた50〜60代の方は少なくありません。年齢のせいだから仕方がない、と諦めてしまう前に、実は膝を支える「筋肉」の状態が関係しているかもしれません。柔道整復師の立場から、膝の痛みと筋肉のつながり、そして筋トレとの付き合い方について解説します。
膝の痛みを「動き」と「全身のつながり」で捉える当院の視点
膝の痛みは、構造そのものの異常というより、膝関節に生じる細かな副運動のズレや、大腿部まわりの筋膜・ファシアの滑走性の低下による、動きの小さなエラーとして現れることがあると考えられます。当院では強く押し込んで矯正するのではなく、関節や組織が本来持っている反応を引き出すことを目指したアプローチを行っています。
また膝は単独で働く関節ではなく、足首から股関節、骨盤へと続く連鎖の中で荷重のかかり方や姿勢の影響を受けながら動いていると捉えています。局所の動きの調整はFJA理論に基づくアプローチが、姿勢の乱れや血流・リンパの循環といった全身の環境づくりは姿勢循環整体が役割を分担し、整った状態から自然治癒力が発揮されやすい環境をサポートすることを目指しています。
なお本内容は診断や治療、効果を保証するものではなく、強い痛みやしびれなどがある場合は早めに医療機関を受診してください。
膝の痛みと「筋肉」にはどんな関係があるのでしょうか
膝関節そのものは、骨と骨のつなぎ目、そしてそれを支える靭帯や軟骨でできています。ただし、膝を実際に動かし、体重を支えているのは周囲の筋肉です。筋肉がしっかり働いているときは、関節にかかる負担がうまく分散されますが、筋力が落ちてくると、膝の関節や軟骨に直接負担が集中しやすくなると考えられています。膝の痛みの原因はさまざまで、加齢による軟骨のすり減りや使い過ぎ、姿勢のクセなど複数の要因が重なっていることも多いのですが、「筋肉の弱まり」もそのひとつの要因として知っておいていただきたいポイントです。
太もも前の筋肉(大腿四頭筋)が膝を支える仕組み
膝を支える筋肉の中でも特に重要なのが、太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)です。名前の通り4つの筋肉からなり、膝を伸ばす動きに関わるほか、歩く・立つ・座る・階段を上るといった日常の動作すべてで働いています。この筋肉がしっかり働いていると、膝のお皿(膝蓋骨)の動きが安定し、着地や踏み込みの衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしてくれると考えられています。反対に、この筋肉が弱くなると、膝を支える力が不足し、関節そのものに負担がかかりやすくなる可能性があります。
運動不足や加齢で筋肉が弱ると膝に何が起こるのか
筋肉は使わないでいると、年齢を問わず少しずつ落ちていきます。特に大腿四頭筋は、デスクワークや在宅時間が長い生活、慢性的な運動不足の影響を受けやすい筋肉のひとつです。また、40代以降は自然な変化として筋肉量が減少しやすい時期に入るともいわれています。筋力が低下すると、膝を安定させる力が弱まり、階段の上り下りや立ち上がりの動作で膝がぐらつくような感覚につながることがあります。さらに、膝をかばう歩き方が定着すると、姿勢全体のバランスが崩れ、腰や股関節など他の部位に負担が波及することもあります。
スクワットは膝痛対策になる?知っておきたい注意点
大腿四頭筋を鍛える運動としてよく紹介されるのがスクワットです。正しいフォームで無理のない範囲で行えば、太ももの筋力を保つためのひとつの手段になり得ると考えられています。ただし、注意点もあります。膝がつま先より大きく前に出る、反動をつけて深くしゃがみ込む、痛みを我慢して回数をこなす、といったやり方は、かえって膝への負担を増やしてしまう可能性があります。特にすでに膝に痛みや違和感がある場合は、自己判断で回数や深さを増やすのではなく、痛みが出ない範囲にとどめることが大切です。フォームに不安がある場合や、そもそも今の膝の状態で運動をしてよいか迷う場合は、無理に一人で続けようとせず、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
痛みが強い時期に筋トレをするリスク
「筋肉を鍛えれば膝は楽になる」という情報を目にして、痛みがあるうちから積極的に筋トレを始めようとする方もいらっしゃいます。しかし、膝に熱感や腫れがある、動かすとズキズキと強い痛みが出るといった状態のときに筋トレを行うと、炎症を悪化させてしまう可能性があります。この時期に大切なのは、まず痛みや腫れを落ち着かせることです。強い痛みが続く場合や、腫れ・熱感を伴う場合は、自己判断でトレーニングを続けるのではなく、整形外科での診察を受けていただくことをおすすめします。診断や画像検査(レントゲン・MRIなど)、手術の要否といった判断は医師の領域になりますので、気になる症状がある場合は早めのご相談をおすすめします。痛みが落ち着いてきた段階で、どのくらいの負荷から始めるべきかは、体の状態によって異なります。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
当院では、痛む膝だけを診るのではなく、なぜそこに負担と滞りが集まったのかを全身から探すという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次のような視点からサポートを行っています。
関節と筋膜を整える
膝は「関節の動き」と「筋膜(体を包む膜)のなめらかな滑り」がセットになって働いています。筋トレで筋力を高めることも大切ですが、そもそも関節の動きにわずかなエラーがあったり、筋膜の滑りが低下していたりすると、筋肉が本来の力を発揮しにくくなることがあります。当院では、こうした動きのエラーを整え、本来の動きを引き出すサポートを行っています。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり、血の巡りが落ちてしまうと、しびれや痛みにつながると考えられています。膝周りの筋肉だけでなく、神経の滑り道をゆるめる視点からアプローチすることも、当院が大切にしているポイントのひとつです。
姿勢と全身のつながりを整える
膝は足首と股関節に挟まれた関節で、上下の関節の動きの影響を受けやすい部位です。足裏のアーチや足首の使い方、股関節や骨盤の傾きが連鎖することで、お尻や太ももの筋肉のバランスが崩れ、結果として膝に負担が偏ってしまうことがあります。当院では、膝だけでなく全身のつながりから姿勢を整えるサポートを目指します。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や血の巡りの滞りは、体の回復力を下げてしまう要因のひとつと考えられています。横隔膜(呼吸を支える筋肉)の動きや呼吸、血流、自律神経(体温や心拍、呼吸などを無意識に調整している神経)のバランスを整えることで、痛みが出にくく、回復しやすい体の土台づくりをサポートします。
医療機関との併用
診断や画像検査、手術の判断は整形外科(医師)の領域です。まずは医療機関で今の状態を確認していただき、日々のケアと体づくりの部分を当院がサポートするという併用の形をおすすめしています。
膝痛の原因について詳しく知りたい方は、膝痛の原因を解説した記事もあわせてご覧ください。また、お尻や太ももの筋肉バランスは股関節の状態とも関わりが深いため、股関節痛の原因についてもあわせて知っておくと参考になるかもしれません。
まとめ
膝の痛みには、太もも前の筋肉(大腿四頭筋)をはじめとした筋力の低下が関係していることがあります。スクワットなどの筋トレは、正しいフォームと無理のない範囲で行うことが大切ですが、痛みが強い時期や腫れ・熱感がある場合は、筋トレを控え、まずは医療機関での確認を優先していただくことをおすすめします。膝を支える力は、太ももの筋肉だけでなく、姿勢や全身のつながり、呼吸や巡りとも関係していると考えられています。
膝の痛みが続く場合や、筋トレを始めてよいか迷う場合は、早めのご相談が安心につながります。一宮市周辺で膝の痛みにお悩みでしたら、一宮整骨院〜Seri〜にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、膝の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 膝の痛みと筋肉にはどんな関係がありますか?
A. 太ももの前後やお尻、ふくらはぎの筋肉は、膝にかかる衝撃をやわらげる役割をしています。これらが硬くなったり使われにくくなったりすると、膝への負担が増えることがあります。痛みの原因が筋肉だけとは限らず、状態の確認が大切です。
Q. 膝が痛いときに筋トレをしても大丈夫ですか?
A. 痛みが強い時期や腫れがあるときは、運動で悪化することがあるため控えてください。痛みの原因を整形外科で確認したうえで、体の状態に合う範囲で行うのが安心です。当院は柔道整復師であり、医師ではないため診断はできません。
Q. 膝のために、自宅で無理なくできる運動はありますか?
A. 痛みが落ち着いている時期であれば、椅子に座って膝を軽く伸ばす動きなど、負担の小さい運動から始める方法があります。動かして痛みが増す場合はすぐに中止してください。不安なときは、医師や当院にご相談のうえ進めましょう。






