「投球のたびに肩が痛いと言う」「練習のあとに肩をさすっている」といった相談は、少年野球や中学・高校野球のお子さんを持つ保護者の方から多く寄せられます。ひとくちに「野球肩の痛み」といっても、痛みの出方や出るタイミングはお子さんによってさまざまで、どこまで様子を見てよいのか、いつ受診すべきなのか迷う方も少なくありません。
野球肩は、投球動作の繰り返しによって肩関節まわりに生じる痛みや機能障害の総称と考えられています。原因や体の中で起きていることの全体像については、野球肩の原因とは?投球で肩が痛くなる仕組みを保護者向けに解説でも詳しく取り上げていますので、あわせてご覧ください。この記事では、痛みの現れ方の違いと、痛みが出たときにまず大切にしたい考え方について整理していきます。
肩の痛み(五十肩・野球肩)を「動き」と「全身のつながり」で捉える当院の視点
肩の痛みや動かしづらさは、肩関節や肩甲骨まわりの副運動(骨と骨の間で起こる小さな遊びの動き)が乱れ、周囲を覆うファシア(筋膜)の滑走性が低下することで、腱板や関節包に負担が集中しやすくなっている状態と考えられます。当院ではこの小さな動きのエラーに触れて変えるのではなく、反応を引き出すことを目指したアプローチを行います。
一方で、猫背や巻き肩といった姿勢の乱れは肩だけの問題にとどまらず、全身の血流やリンパの循環にも影響し、肩への負担を増やす一因になり得ると考えられています。局所の動きはFJA理論の視点で、全身の姿勢や循環は姿勢循環整体の視点で役割分担しながら整えることで、身体が本来持つ自然治癒力が発揮されやすい環境づくりをサポートしています。
なお本コンテンツは診断や治療、効果を保証するものではなく、強い痛みやしびれ、動かせないなどの症状がある場合は医療機関の受診をおすすめします。
痛みの種類 — 急性・慢性・投球時の痛みの違い
野球肩と呼ばれる痛みは、大きく分けて次のような現れ方をすることが多いとされています。
- 投球時のみ感じる痛み: 投げる瞬間やリリース直後にだけ痛みが出るタイプで、初期段階に多いとされています。
- 練習後・翌日に残る痛み: 投球中はさほど気にならなくても、練習後や翌朝にじんわりとした痛みや重だるさが残るタイプです。
- 安静にしていても感じる痛み: 投げていないときにも痛みがある場合は、肩まわりへの負担が積み重なっているサインと考えられており、注意が必要とされています。
また、痛みが出る局面によって、負担がかかりやすい部位の傾向がある程度見えてくるとされています。肩のどのあたりが痛むかという点については、野球肩で痛む場所は?前・後ろ・上など部位別の特徴で詳しく取り上げていますので、あわせてご確認ください。ただし、痛みの部位やタイミングだけから傷んでいる組織を特定することは難しく、画像検査などを含めた医療機関での評価が前提になるとされています。保護者やお子さん自身の判断だけで、痛みの原因を決めつけないことが大切です。
なお、成長期特有の骨端線(骨の成長にかかわる軟骨の部分)にかかわる痛みについては、レントゲンなどの画像検査で左右を比較しながら確認する必要があるとされており、こうした診断は整形外科など医師の領域です。当院で診断や治療を行うものではなく、気になる場合は医療機関へのご相談をおすすめします。
痛いときにまずやめたいこと
肩に痛みが出ているとき、保護者としてまず意識していただきたいのは「痛みを我慢させて投げ続けさせない」ということです。
- 痛みをこらえながらの投球: 痛みをかばうことでフォームが崩れ、かえって他の部位への負担が増えてしまうことがあると考えられています。
- 「そのうち治まるだろう」と様子を見続けること: 軽い違和感であっても、投球を続けることで負担が積み重なっていく可能性があります。
- 自己判断での強いマッサージやストレッチ: 原因がはっきりしない段階で患部を強く揉んだり伸ばしたりすることは、かえって負担になる場合があるとされています。
痛みが出ている間は、まず投球を中止し、体の状態を落ち着いて確認することが大切にされている考え方です。
冷やす・休むの基本
投球後や痛みがあるときの家庭でのケアとして、一般的に紹介されているのが「休むこと」と「冷やすこと」です。
投球を中止して肩を休ませることは、炎症が落ち着くまでの期間として大切にされている基本の考え方です。あわせて、患部を冷やすアイシングも、運動後の一般的なケアとして広く紹介されています。アイシングの具体的なやり方や時間の目安については、野球肩は冷やす?アイシングのやり方と注意点で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
ただし、休むこと・冷やすことといった家庭でのケアは、あくまで一般的なコンディショニングの範囲にとどまるものであり、痛みそのものへの治療行為ではありません。痛みが続く場合や強くなっていく場合は、セルフケアだけで様子を見続けるのではなく、次に述べる受診を優先していただくことが大切です。
痛みが続くときは早めの受診を
次のようなサインがある場合は、自己判断や様子見を続けるのではなく、整形外科(できればスポーツ整形外科)を受診することが勧められています。
- 投球のたびに毎回痛みが出る、痛みが徐々に強くなっている
- 安静にしていても痛みがある
- 肩の可動域が明らかに狭くなっている、腕が挙がりにくい
- 数日休んでも痛みが引かない、繰り返しぶり返す
- 痛みをかばうことでフォームが崩れている
これらは受診の目安として一般に挙げられているサインの一例とされています。当てはまる様子が見られる場合は、早めに医療機関へご相談ください。診断・画像検査・治療方針の決定は医師の領域であり、当院がこれに代わるものではありません。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
痛みと向き合ううえでは、痛む肩だけでなく体全体のつながりから見ていくという視点も大切にされています。当院では、痛む肩だけを診るのではなく、なぜそこに負担が集まったのかを全身から探すという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートしています。なお、野球肩の診断や治療は整形外科など医師の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
肩関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りはセットで働いています。投球の繰り返しで生じるこわばりを整え、肩本来の動きを引き出すサポートを目指します。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、しびれや痛みにつながると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながり(肩甲骨・体幹・下半身)を整える
投球は、下半身から体幹、肩甲骨、肩、肘へと力が連鎖する全身運動です。肩だけでなく、肩甲骨の動き・体幹・股関節など全身のつながりから整え、肩への負担が偏りにくい体づくりをサポートします。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、回復力を下げてしまうことがあります。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下の筋肉)や呼吸、血流を整え、疲れが抜けやすい体の土台づくりをサポートします。
医療機関との併用
野球肩の診断・画像検査・治療は整形外科(医師)の領域です。当院ではまず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする併用のスタンスを大切にしています。
まとめ
野球肩の痛みは、投球時のみ出るものから、練習後・安静時にも出るものまで現れ方がさまざまで、痛みの出方によって負担がかかっている傾向がある程度見えてくると考えられています。ただし、痛みの原因を保護者やお子さんの判断だけで決めつけず、痛みが続く・強くなる・繰り返す場合は自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診することが大切です。
お子さんの肩の痛みが気になるときは、まず整形外科などの医療機関にご相談ください。そのうえで、体づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で野球肩のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(苅安賀駅 徒歩8分)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、肩の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 野球肩の痛みにはどんな種類がありますか?
A. 投げている最中だけ痛む、投げた後に痛む、日常動作でも痛む、夜にうずくなど、痛みの出方はさまざまです。出方によって肩への負担の度合いが違うため、いつ・どこが痛むかを記録しておくと相談しやすくなります。メモやスマホの記録で十分です。
Q. 野球肩で痛い時、まず大切にしたいことは何ですか?
A. 痛みを我慢して投げ続けないことが第一です。投球を休んで肩を安静にし、痛みの経過を観察してください。腫れや強い痛みがある、腕が上がらないといった場合は、早めに整形外科を受診しましょう。休むことは、結果として復帰への近道になる場合もあります。
Q. 痛みの種類から、野球肩かどうか整骨院でわかりますか?
A. 当院は柔道整復師であり、医師ではないため、病名の診断はできません。痛みの出方や肩の動き、体の使い方を確認することはできますが、診断や画像検査が必要な場合は整形外科をご案内します。当院でできる範囲を丁寧にご説明します。






