「肩が痛いと言うけれど、まず何科を受診すればいいのか」「治療といっても、実際にどんなことをするのか」——お子さんが野球肩(投球障害肩)かもしれないと感じたとき、こうした戸惑いを持つ保護者の方は少なくありません。野球肩は、投球動作の繰り返しによって肩関節まわりに生じる痛みや機能障害の総称と考えられており、原因やしくみの全体像については、野球肩の原因とは?投球で肩が痛くなる仕組みを保護者向けに解説でも詳しく取り上げています。
この記事では、野球肩の治療がどこで、どのような流れで行われるとされているのかを整理していきます。診断や治療方針の決定は医師(整形外科・スポーツ整形外科)の領域であり、当院がこれに代わって診断や治療を行うものではありません。あくまで一般的な情報として、保護者の方が医療機関を受診する際の見通しを立てる助けになればと思います。
肩の痛み(五十肩・野球肩)を「動き」と「全身のつながり」で捉える当院の視点
肩の痛みや動かしづらさは、肩関節や肩甲骨まわりの副運動(骨と骨の間で起こる小さな遊びの動き)が乱れ、周囲を覆うファシア(筋膜)の滑走性が低下することで、腱板や関節包に負担が集中しやすくなっている状態と考えられます。当院ではこの小さな動きのエラーに触れて変えるのではなく、反応を引き出すことを目指したアプローチを行います。
一方で、猫背や巻き肩といった姿勢の乱れは肩だけの問題にとどまらず、全身の血流やリンパの循環にも影響し、肩への負担を増やす一因になり得ると考えられています。局所の動きはFJA理論の視点で、全身の姿勢や循環は姿勢循環整体の視点で役割分担しながら整えることで、身体が本来持つ自然治癒力が発揮されやすい環境づくりをサポートしています。
なお本コンテンツは診断や治療、効果を保証するものではなく、強い痛みやしびれ、動かせないなどの症状がある場合は医療機関の受診をおすすめします。
どこを受診するか — 整形外科・スポーツ整形外科
野球肩が疑われる場合、まず相談先となるのは整形外科、できればスポーツ障害の診療経験が豊富なスポーツ整形外科とされています。投球のたびに痛みが出る、安静にしていても痛む、可動域が狭くなっているといった様子がある場合は、自己判断や様子見を続けるのではなく、早めに受診することが勧められています。
なお、柔道整復師が施術を行う整骨院は、外傷性(急性・亜急性)の骨折・脱臼・打撲・捻挫に対する応急処置等を業務範囲としており、投球の繰り返しによって生じる野球肩のようなオーバーユース(使い過ぎ)の慢性的な障害は、業務範囲の対象外とされています。当院でも、野球肩そのものの診断や治療を行うことはできません。
診断・画像検査は医師の領域
診断は、投球フォームのどの局面で痛みが出るかの問診や可動域・筋力の評価に加え、レントゲン(X線)・超音波(エコー)・MRIなどの画像検査を組み合わせて総合的に行われるとされています。とくに成長期特有の「リトルリーグショルダー(上腕骨近位骨端線離開)」は、骨端線(骨の成長にかかわる軟骨の部分)の開大の程度をX線で左右比較しながら確認することが診断の基本とされ、明らかな開大が写らないケースもあり、その場合はMRIなどでの精査が必要になることもあるとされています。
こうした画像診断は医療機関でのみ行えるものであり、当院を含む整骨院では、レントゲンのような検査で骨端線の状態を確認したり、疾患名を確定したりすることはできません。「これはリトルリーグショルダーです」といった診断的な判断は医師の領域であることを、保護者の皆さまにも知っておいていただきたいポイントです。
保存療法の基本 — 安静・ノースロー・リハビリ
野球肩の治療は、手術ではなく保存療法が中心とされています。保存療法の柱として一般的に挙げられているのは、次のような内容です。
- 投球中止(ノースロー): 炎症が落ち着くまで投球を中止する期間で、損傷の程度により数週間〜数ヶ月とされています。リトルリーグショルダーでは、目安として最低4〜6週間程度のノースローが必要とされることが多いとされていますが、施設や重症度によって差があります。
- リハビリテーション: 硬くなった関節周囲の組織のストレッチや、腱板(インナーマッスル)・肩甲骨まわり・体幹の筋力強化を、理学療法士等の指導のもとで行うとされています。
- 投球フォームの修正: 体の機能が改善してきた段階で、肩に負担の少ない全身を使ったフォームの習得に取り組むとされています。
保存療法が中心の場合、多くは数週間〜数ヶ月かけて経過をみていくとされていますが、「必ずこの期間で治る」といった断定はできず、個人差や重症度による差が大きい点に留意が必要です。復帰の際も、ノースロー期間から痛みのない範囲での軽いキャッチボールへ、そして段階的に距離や強度を上げていくという、焦らない進め方が一般的に推奨されているとされています。家庭でできることや、復帰までの段階的な考え方については、野球肩の治し方|家庭でできることと復帰までの考え方でも詳しく取り上げています。
手術が検討される場合
手術が検討されるのは、関節唇損傷や腱板断裂の程度が重く、一定期間(目安として2〜3ヶ月程度とする記載もあります)の保存療法を行っても改善がみられない、ごく限られたケースとされています。手術を行うかどうかの判断も含め、あくまで医師が画像所見や経過を踏まえて総合的に判断することであり、保護者やお子さんの自己判断で決められるものではありません。
治療を続けているつもりでも痛みが長引く、なかなか良くならないと感じる場合は、焦って自己流のケアを増やすのではなく、まずは受診先の医師に率直に相談することが大切です。長引くときに保護者として見直したい視点については、野球肩が治らない…長引くときに親が見直したいことでも取り上げていますので、あわせてご覧ください。
体づくりのサポートを併用する
医療機関での治療と並行して、肩甲骨・体幹・下半身を含めた全身のコンディショニングを整えることは、投球時に肩関節にかかる負担を減らす一助になると考えられています。当院では、野球肩そのものの診断や治療を行うのではなく、医療機関での治療を最優先としたうえで、姿勢や体の使い方、柔軟性といった体づくりの面からサポートすることを大切にしています。整体でできることとできないことの線引きについては、野球肩に整体でできること|一宮整骨院〜Seri〜の考え方で詳しくお伝えしています。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
野球肩の治療の流れを知ったうえで、ご家庭でもできることがないか気になる保護者の方も多いと思います。当院では、痛む肩だけを診るのではなく、なぜそこに負担が集まったのかを全身から探すという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートしています。なお、野球肩の診断や治療は整形外科など医師の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
肩関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りはセットで働いています。投球の繰り返しで生じるこわばりを整え、肩本来の動きを引き出すサポートを目指します。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、しびれや痛みにつながると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながり(肩甲骨・体幹・下半身)を整える
投球は、下半身から体幹、肩甲骨、肩、肘へと力が連鎖する全身運動です。肩だけでなく、肩甲骨の動き・体幹・股関節など全身のつながりから整え、肩への負担が偏りにくい体づくりをサポートします。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、回復力を下げてしまうことがあります。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下の筋肉)や呼吸、血流を整え、疲れが抜けやすい体の土台づくりをサポートします。
医療機関との併用
野球肩の診断・画像検査・治療は整形外科(医師)の領域です。当院ではまず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする併用のスタンスを大切にしています。
まとめ
野球肩の治療は、整形外科での診断・画像検査を経て、投球中止(ノースロー)やリハビリといった保存療法を中心に進められ、手術が検討されるのはごく限られたケースとされています。治療の主体はあくまで医師であり、当院を含む整骨院が診断や治療を行うことはできません。
お子さんの肩の痛みが気になるときは、まず整形外科などの医療機関にご相談ください。そのうえで、体づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で野球肩のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(苅安賀駅 徒歩8分)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、肩の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 野球肩は整形外科でどんな治療をしますか?
A. 一般に、問診や診察、画像検査で状態を確認し、投球の休止や薬、リハビリなどの保存療法が検討されます。症状によっては注射や手術が選ばれることもあります。これらは医師が判断し、行う医療です。治療方針は症状の程度や年齢によっても変わります。
Q. 整骨院と整形外科はどう使い分ければいいですか?
A. 痛みの原因をはっきりさせたい時や強い痛みがある時は、まず整形外科で診察を受けてください。当院は柔道整復師であり、医師ではないため診断はできません。医師の診断を前提に、体の使い方や筋肉の状態を整えるお手伝いをしています。
Q. 保存療法とはどんな内容ですか?
A. 手術をしない方法の総称で、投球を休んで安静にする、肩まわりの柔軟性や筋力を整える、フォームを見直すなどが含まれます。進め方は症状の程度で変わるため、医師の指示を確認しながら段階的に進めるのが一般的です。






