受験を控えたお子さんが起立性調節障害(OD:起立に伴う血圧や心拍の調整がうまく働きにくくなる状態と考えられています)と診断されている場合、保護者としては「勉強は間に合うのか」「当日体調を崩さないか」といった不安が尽きないことと思います。特に朝に調子が悪く、午後から回復するという波があるお子さんの場合、受験勉強のリズムや試験当日の時間帯そのものが心配の種になりやすいものです。
まず知っておいていただきたいのは、ODは本人の甘えや気力の問題ではなく、自律神経が起立時の血圧や心拍を調整する働きが乱れていることによる身体の状態と考えられている点です(起立性調節障害とはで詳しく解説しています)。受験期は心理的なプレッシャーが加わりやすい時期でもあり、症状が一時的に強く出ることもありますが、それはお子さんの努力不足ではありません。この記事では、受験生とその保護者が受験期を乗り切るための工夫を、体づくりのサポートを行う整骨院の立場からご紹介します。
受験期に増える不安
受験が近づくと、模試の結果や志望校選び、周囲との比較など、思春期のお子さんにとって心理的な負担が大きくなりやすい時期です。自律神経の働きは心理社会的なストレスの影響を受けやすいと考えられており、受験期に症状が強まったように感じられることもあります。ただしこれは「プレッシャーに弱いから」ではなく、身体の調整機能がストレスの影響を受けやすい状態にあるためと考えられています。保護者の方が「みんな頑張っているのに」と焦る気持ちを抱くのは自然なことですが、まずは体調に波があることを前提に、受験までの計画を立てていくことが大切です。
勉強リズムの工夫(午後型を活かす)
ODのお子さんには、午前中に症状が強く、午後から夕方にかけて調子が上向く日内変動がみられることが多いと報告されています。この波を無理に朝型へ矯正しようとするより、体調が上がってくる午後や夕方の時間帯を勉強の中心に据える方が、結果的に学習の効率を保ちやすいと考えられています。朝は暗記など負担の軽い作業を、体調が整ってくる時間帯には理解を要する科目や過去問演習を配置するなど、お子さんの体感に合わせて計画を組み直してみることをおすすめします。学校の授業や当日の試験時間に近い時間帯で集中力を発揮する練習を、日頃から少しずつ取り入れておくことも一つの工夫です。
当日の体調管理
試験当日は、普段以上に緊張や早起きなどの負担が重なりやすいものです。水分は1日1.5〜2リットル、塩分は10〜12グラム程度を目安にするとよいとされていますが、これはあくまで一般的な目安であり、持病やほかの指導がある場合は主治医の指示を優先してください。会場で立ち上がる際は30秒程度かけてゆっくり動く、頭を下げながら起立するなど、急な血圧低下を防ぐ工夫も知られています。会場までの移動時間に余裕を持たせる、長時間並んで待つ場面をできるだけ避けられるか事前に確認しておくことも、当日の負担を減らす助けになると考えられます。
受験校選び・配慮申請
受験校を選ぶ際は、試験の時間帯や会場までの距離、休憩の取りやすさなども判断材料になります。学校や受験先によっては、事情を説明することで座席の配慮や別室での受験など、状況に応じた対応を相談できる場合があります。相談の際には、主治医に診断書や意見書の作成を依頼し、症状や必要な配慮を客観的に伝えられるようにしておくと安心です。在籍校との連携については、学校への説明・配慮のお願いでそのまま使える伝え方の例文も紹介していますので、あわせてご覧ください。通学の負担が大きい場合には、通信制・定時制といった選択肢が案内されることもあります。
親のサポートの仕方
保護者にできる最も大切なサポートは、結果だけでなく、体調と向き合いながら取り組んでいる過程そのものを認めてあげることです。「なぜこの時間に起きられないのか」と問い詰めるのではなく、「今日はどのくらい動けそうか」を一緒に確認しながら、無理のない計画に調整していく関わり方が助けになると考えられています。模試の点数や周囲との比較で追い詰めるのではなく、体調に波があることを前提にした声かけを心がけてください。保護者ご自身が思い詰めてしまわないよう、学校や医療機関、次でご紹介する体づくりのサポートなど、頼れる先を複数持っておくことも大切です。
体調の土台づくり
受験勉強そのものと並行して、体の土台を整えておくことも受験期を乗り切るうえで助けになると考えられています。軽い運動やセルフケアの習慣は、筋力低下や自律神経の働きの悪化を防ぐ観点から勧められることがあります。詳しい取り入れ方は運動していい?起立性調節障害の子が家庭でできるセルフケアでご紹介していますので参考にしてください。勉強時間を確保しようとして運動や休息を削ってしまうと、かえって体調を崩しやすくなることもあるため、バランスを意識した生活リズムづくりを心がけましょう。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
受験期はどうしても勉強時間の確保を優先しがちですが、当院では、不調のサインだけを追うのではなく、体が本来のリズムを取り戻しやすい土台を全身から整えるという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートを行っています。なお、起立性調節障害の診断や治療は医療機関(小児科)の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
姿勢を支える関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りは、セットで働いています。長時間の同じ姿勢や体の使い方のクセで生じるこわばりを整え、無理のない姿勢を保ちやすい体をサポートします。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、体の調整がうまく働きにくくなると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながりを整える
猫背や巻き肩など姿勢の崩れは、呼吸の浅さや巡りの滞りにつながることがあります。背骨や骨盤、肩甲骨まわりのバランスを全身のつながりから整えるサポートを行います。
呼吸と巡り、自律神経のバランスを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、体の回復力や自律神経(体温・心拍・血圧などを無意識に調整している神経)のバランスに影響すると考えられています。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下にある筋肉)の動きや呼吸、血流を整え、体が休まりやすい土台づくりをサポートします。なお、これは呼吸や巡りのコンディショニングを目的としたものであり、病気を治療するものではありません。
医療機関との併用
起立性調節障害の診断・治療・お薬の判断は、小児科をはじめとする医師の領域です。当院では、まず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする、医療機関との併用というスタンスを大切にしています。
まとめ
受験期は勉強と体調管理の両立が難しく感じられる時期ですが、午後型の生活リズムを活かした勉強計画や当日の体調管理の工夫、学校への配慮の相談など、できることは少なくありません。症状の程度や治療方針については自己判断をせず、必ずかかりつけの医療機関にご相談ください。
起立性調節障害のお子さんへの向き合い方に悩まれたときは、まず医療機関にご相談ください。そのうえで、体の土台づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で起立性調節障害のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact






