朝になると体調がすぐれず、学校を休みがちになっているお子さんを見て、「これはただの不登校なのか、それとも起立性調節障害(OD:立ち上がったときに血圧や心拍を調整する自律神経(体温・心拍・血圧などを無意識に調整している神経)の働きがうまくいかず、立ちくらみや倦怠感などが起こる状態)が関係しているのか」と悩む保護者の方は少なくありません。
起立性調節障害については起立性調節障害とは何か、基本から知っておきたい方はこちらの記事で詳しく解説していますが、この記事では特に「不登校」との関わりに焦点を当て、親としてどう向き合っていけばよいかを整理していきます。
起立性調節障害によるお子さんの不調を、「動き」と「全身のつながり」から考える
起立性調節障害は自律神経の働きに関わる医師の診断領域であり、立ちくらみやめまいが続く場合はまず小児科など医療機関を受診し、診断を受けることを最優先にしていただきたいと考えます。当院ではあくまで生活のコンディショニングとして、頸部や胸郭まわりの関節の副運動や筋膜(ファシア)の滑走性の乱れを確認し、呼吸に伴う体の反応を引き出すお手伝いができればと考えています。
姿勢循環整体の視点では、猫背気味の姿勢や浅い呼吸が全身の血流やリンパの循環に影響し、自律神経への負担につながっている可能性があるととらえます。局所はFJA、全身の姿勢と循環を整える環境づくりは姿勢循環整体という役割分担で、お子さん自身の自然治癒力が発揮されやすい状態づくりをサポートしています。
なお本セクションは医学的な診断や治療、効果を保証するものではなく、症状が強い場合や長引く場合は速やかに医療機関にご相談ください。
起立性調節障害と不登校の関係 — 背景に多いとされていること
起立性調節障害と不登校は、しばしば重なりを持つと考えられています。専門家の見解として、日本小児科学会に寄せられたアンケート調査では、不登校の子どもの3〜4割程度に起立性調節障害が関わっていると推定されているとの記述があります。ただしこれはあくまで専門医が回答した個人的な臨床上の推定であり、大規模な疫学調査で実測された数値ではない点に注意が必要です。
また、文部科学省が行った不登校の要因分析に関する調査でも、子どもたちの多くが「体調不良の訴え」や「朝起きられない・夜眠れない」といった状態を訴えていることが分かっています。この調査自体は起立性調節障害という病名を扱ったものではありませんが、報告されている症状の傾向は、起立性調節障害でみられる症状像と重なる部分があると考えられています。
つまり、「不登校の子はみなODである」とも「ODの子は必ず不登校になる」とも言い切れませんが、体の不調が背景にある子どもたちが一定数含まれていると考えられている、というのが実情に近い理解です。
「行きたいのに行けない」という体の状態
起立性調節障害の子どもにとって、学校に行けない朝は「気持ちの問題」ではなく、体の調整機能がうまく働いていない結果であることが多いとされています。立ち上がると血圧が下がりやすく、脳や全身への血流が不足しやすい状態のまま無理に動こうとすれば、強い立ちくらみや倦怠感、頭痛などが出やすくなります。本人も「学校に行きたい」という気持ちを持ちながら、体がついてこないというギャップに苦しんでいることが少なくありません。
このあたりの「甘えではないか」という周囲の誤解については、「甘え」ではありません──起立性調節障害と怠けの見分け方の記事で詳しく取り上げていますので、あわせてご覧いただくと理解が深まります。周囲から「怠けている」「仮病では」といった見方をされることで本人が心理的に孤立し、それがかえって長期の不登校につながってしまうことも指摘されています。逆に、不登校や引きこもりに伴う生活リズムの乱れや心理的な負担が、自律神経の不調をさらに悪化させるという悪循環に陥ることもあるとされており、体の状態と心の状態は互いに影響し合っていると考えられています。
学校を休むことへの向き合い方
体調が優れず学校を休む日が続くと、保護者としては「このまま行けなくなってしまうのでは」という不安から、つい焦ってしまうこともあると思います。しかし、起立性調節障害が関わっている場合、無理に休まず登校させようとすることが、かえって体調の悪化につながる場合があるとされています。
まず大切にしていただきたいのは、「休むこと」そのものを責めない姿勢です。学校を休むという選択は、決して本人の努力不足によるものではなく、体が休息を必要としているサインである場合が多いと考えられています。休んでいる間も、水分・塩分を無理のない範囲で意識してとる、日中は横になりすぎない、決まった時間に食事をとるなど、生活リズムを保つ工夫を続けることが、体調を整えていくうえでの土台になるとされています。
登校刺激で気をつけたいこと
「頑張れば行けるはず」「休み癖がつく前に」と考え、登校を強く促す関わり方(登校刺激)は、状況によっては本人を追い詰めてしまうことがあると考えられています。特に、体の調整機能がうまく働いていない朝の時間帯に強い言葉で急かすことは、本人にとって「分かってもらえていない」という孤立感につながりやすいとされています。
一方で、腫れ物に触るように何も声をかけない状態が続くことも、本人にとって不安を強めることがあります。大切なのは、「今日は行けそうか、休むか」を本人と一緒に、体調を見ながら相談していく関わり方だと考えられています。親御さん自身の接し方に迷いが生じたときの考え方については、親の対応マニュアル|起立性調節障害の子への正しい接し方の記事もあわせてご参照ください。
学校との連携という視点
学校を長期間休みがちになると、進級や出席日数、学習の遅れなど、気がかりなことが増えていきます。こうした場合、学校側に体の状態について理解を求め、遅刻や保健室利用、体育の見学、行事参加の仕方などを相談しておくことが、本人の負担を軽くするうえで役立つと考えられています。具体的な伝え方については、起立性調節障害の学校への説明・配慮のお願いの記事で例文とあわせて紹介しています。学校との連携は、診断書の提出や主治医からの説明など、医療機関を通じて行われることも多くあります。
相談先を持つこと
起立性調節障害と不登校が重なっている場合、対応の窓口となるのは基本的に小児科です。体の状態を確認したうえで、必要に応じて心療内科などと連携しながら診療が進められることもあります。また、スクールカウンセラーや教育支援センターなど、学校生活や心理面のサポートを行う専門家に相談できる窓口も各地にあります。保護者だけで抱え込まず、医療・学校・地域の相談窓口など複数の場所とつながっておくことが、長い目で見て本人と家族を支える力になると考えられています。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
学校に行けない日々のなかで、体調そのものを少しでも整えてあげたいと考える保護者の方もいらっしゃると思います。当院では、不調のサインだけを追うのではなく、体が本来のリズムを取り戻しやすい土台を全身から整えるという考え方を大切にしています。これを「KIRIN整体」と呼び、次の4つの視点と医療機関との併用でサポートを行っています。なお、起立性調節障害の診断や治療は医療機関(小児科)の領域であり、当院がこれを治療するものではありません。
関節と筋膜を整える
姿勢を支える関節の動きと、体を包む筋膜(体を包む薄い膜のようなもの)のなめらかな滑りは、セットで働いています。長時間の同じ姿勢や体の使い方のクセで生じるこわばりを整え、無理のない姿勢を保ちやすい体をサポートします。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり巡りが落ちると、体の調整がうまく働きにくくなると考えられています。神経の滑り道をゆるめる視点からサポートします。
姿勢と全身のつながりを整える
猫背や巻き肩など姿勢の崩れは、呼吸の浅さや巡りの滞りにつながることがあります。背骨や骨盤、肩甲骨まわりのバランスを全身のつながりから整えるサポートを行います。
呼吸と巡り, 自律神経のバランスを整える
浅い呼吸や巡りの滞りは、体の回復力や自律神経(体温・心拍・血圧などを無意識に調整している神経)のバランスに影響すると考えられています。横隔膜(呼吸を助ける、肋骨の下にある筋肉)の動きや呼吸、血流を整え、体が休まりやすい土台づくりをサポートします。なお、これは呼吸や巡りのコンディショニングを目的としたものであり、病気を治療するものではありません。
医療機関との併用
起立性調節障害の診断・治療・お薬の判断は、小児科をはじめとする医師の領域です。当院では、まず医療機関で状態を確認していただいたうえで、日々のケアと体づくりをサポートする、医療機関との併用というスタンスを大切にしています。
まとめ
起立性調節障害と不登校には重なりが見られると考えられていますが、その関係には個人差があり、単純に割り切れるものではありません。「行きたいのに行けない」というお子さんの状態を責めず、休むことを含めて体調を見ながら一緒に向き合っていくことが大切です。気になる症状が続く場合は、まず小児科などの医療機関にご相談ください。
起立性調節障害のお子さんへの向き合い方に悩まれたときは、まず医療機関にご相談ください。そのうえで、体の土台づくりのサポートをお考えでしたら、一宮市周辺で起立性調節障害のお子さんの体づくりについて、一宮整骨院〜Seri〜にお気軽にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地: 愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話: 058-652-4101
ご予約: https://ichinomiyaseitaiin.com/contact
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、起立性調節障害による不調でお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 起立性調節障害で学校に行けないのは、本人の気持ちの問題ですか?
A. 朝は血圧や血流の調整がうまくいかず、起きたくても体が動かないことがあります。気持ちや努力だけの問題とは言い切れません。当院は柔道整復師であり医師ではないため診断はできません。まずは小児科などの医療機関にご相談ください。
Q. 登校できない子に、親はどのように声をかければよいですか?
A. 無理に行かせようとせず、体調のつらさを受け止める言葉から始めるのが基本です。「行けない日があってもいい」と伝えると、本人の安心につながります。生活リズムや学校との調整は、医師や学校とも相談しながら進めましょう。
Q. 整骨院では、不登校のお子さんに何ができますか?
A. 診断や治療は医師の役割で、当院ではできません。当院でできるのは、姿勢や呼吸、体の巡りを整えるコンディショニングと、生活面のご相談です。強い立ちくらみや失神がある場合は、先に医療機関を受診してください。






