股関節の痛みを「動き」と「全身のつながり」で捉える当院の視点
股関節の痛みは、骨そのものの異常というより、股関節が持つ細かな副運動、すなわち微小な回旋やすべりの動きにエラーが生じ、周囲の筋膜(ファシア)の滑走性が低下している状態と考えられます。当院では関節を強く動かして矯正するのではなく、軽く触れて反応を引き出すことで、動きのエラーが整うきっかけをつくることを目指しています。
股関節は骨盤や背骨と密接につながっており、姿勢の崩れや荷重のかけ方の偏りが、股関節への負担や周囲の血流・リンパの循環に影響していると考えられます。局所の動きを整えるFJA的な視点と、全身の姿勢バランスや循環を整える姿勢循環整体的な視点で役割分担しながら、自然治癒力を引き出しやすい環境づくりをサポートしています。
なお本内容は診断・治療や効果を保証するものではなく、当院の考え方や実感をお伝えするものです。強い痛みやしびれがある場合は、早めに医療機関を受診してください。
股関節の痛み、ストレッチをしていいのか迷っていませんか
家事や買い物で歩いていると股関節がズキッと痛む、朝起きて動き出しの一歩がつらい、そんな悩みを抱えている30代・40代の女性は少なくありません。ネットで「股関節痛 ストレッチ」と調べても、情報が多すぎてどれが正しいのか分からず、かえって不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
ストレッチは股関節の柔軟性を保つうえで役立つと考えられていますが、痛みの時期や体の状態によって「やっていいこと」と「避けたほうがよいこと」が変わってきます。この記事では、柔道整復師の視点から、股関節痛のある方が知っておきたいストレッチとの向き合い方を、時期別にお伝えします。
痛みが強い時期はストレッチがNGになることもあります
股関節にズキズキとした強い痛みがある、少し動かすだけで鋭い痛みが走る、腫れや熱っぽさを感じるといった状態のときは、無理にストレッチを行うことはおすすめできません。炎症が強く出ている時期に関節や筋肉を伸ばそうとすると、かえって組織に負担をかけ、症状が悪化する可能性があるためです。
この段階では、ストレッチよりもまず安静を優先し、痛みの程度によっては医療機関で状態を確認してもらうことが大切です。股関節の痛みの背景には、股関節そのものだけでなく骨盤や腰、筋肉の使い方が関わっていることも多く、自己判断だけで対応を進めるのはリスクがあります。原因については股関節が痛くなる原因でも詳しく触れていますので、あわせてご覧ください。
痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲で少しずつ
急な痛みが落ち着き、日常生活で動かしても鋭い痛みが出ない段階になってきたら、ごく軽いストレッチを少しずつ取り入れていくことを検討してもよい時期といえます。ポイントは「気持ちよく伸びていると感じる範囲」にとどめることです。痛みを我慢して伸ばす、反動をつけて勢いよく伸ばすといったやり方は避け、呼吸を止めずにゆっくりと伸ばしていく方法が基本になります。
一回の時間は短くても構いません。20〜30秒程度を目安に、体の反応を見ながら少しずつ回数や時間を増やしていくイメージです。座ったままできる方法は股関節痛のストレッチを寝ながら行う方法でも紹介していますので、体を起こすのがつらい時期の参考にしていただけます。
お尻・内もも・股関節前面(腸腰筋)の柔軟性がポイント
股関節の動きに関わる筋肉はいくつもありますが、特に意識しておきたいのが次の3つです。
- お尻の筋肉:骨盤を支え、歩行時に股関節を安定させる働きがあると考えられています。硬くなると骨盤の傾きにつながりやすくなります
- 内ももの筋肉:股関節を内側から支え、脚を閉じたり動きを安定させたりする役割があります
- 股関節の前側の筋肉(腸腰筋):太ももの付け根から背骨につながる筋肉で、股関節を曲げる動きに関わっています。長時間座っていると縮こまりやすい筋肉といわれています
これらの柔軟性が低下すると、股関節にかかる負担が偏りやすくなると考えられています。日々の筋肉の状態については股関節痛と筋肉の関係でも解説していますので、あわせてご参照ください。
ストレッチで悪化させないための注意点
ストレッチを取り入れる際は、次のような点に気をつけてください。
- 痛みを感じたらすぐに中止する(「少し突っ張る」程度と「痛い」は別物です)
- 反動をつけずゆっくり行う
- 呼吸を止めずに続ける
- 左右を比べて極端に硬い側だけを無理に伸ばさない
- 入浴後など体が温まっているタイミングを選ぶ
特に、痛みがある側だけを一生懸命伸ばそうとする方が多いのですが、体は左右や前後でつながっているため、片側だけを集中的に行うとバランスを崩すこともあります。痛みが出たときの応急的な対応は股関節が痛い時の対処法にもまとめています。
自己流ストレッチに潜む危険性
インターネットや動画で見た方法をそのまま試すことは、体の状態によっては合わないこともあります。特に、股関節の構造や可動域には個人差があり、同じストレッチでも人によって適切な角度や強さが異なります。自己流で無理に伸ばし続けると、かえって痛みが強くなることもあると考えられています。
「毎日続けているのに変わらない」「むしろ痛みが増した気がする」という場合は、一度専門家に体の状態を確認してもらうことをおすすめします。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
当院では、痛む股関節だけを診るのではなく、なぜそこに負担と滞りが集まったのかを全身から探すという姿勢を大切にしています。その考え方の土台が「KIRIN整体」です。
関節と筋膜を整える
股関節は「関節そのものの動き」と「筋膜(体を包む膜)のなめらかな滑り」がセットになって働いていると考えられています。ストレッチだけでは届きにくい動きのわずかなエラーや滑りの低下を整え、本来の動きを引き出すサポートを行います。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり血の巡りが落ちると、しびれや痛みにつながると考えられています。神経の通り道となる部分の滑りをゆるめ、本来の状態に近づけるサポートを行います。
姿勢と全身のつながりを整える
股関節痛は、足裏のアーチ・膝・骨盤・腰の使い方が連鎖して生まれやすいとされています。例えばお尻の筋肉が弱ると骨盤が傾き、股関節に負担が偏ることがあります。股関節だけでなく全身のつながりから整えることを目指します。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や血の巡りの滞りは、体の回復力を下げる要因になり得ると考えられています。横隔膜や呼吸、血流、自律神経(体の緊張とリラックスを切り替える仕組み)のバランスを整え、痛みが出にくく回復しやすい体の土台づくりをサポートします。
医療機関との併用
診断やレントゲン・MRIなどの画像検査、手術の判断は整形外科など医師の領域です。まず医療機関で状態を確認していただき、日々のケアや体づくりの部分を当院がサポートするという併用の形を大切にしています。
まとめ
股関節痛とストレッチの関係は、痛みの時期によって向き合い方が変わってきます。痛みが強い時期は無理をせず安静を優先し、落ち着いてきたら気持ちよく伸びる範囲で少しずつ。お尻・内もも・股関節前面の柔軟性を意識しながら、反動をつけない・呼吸を止めないといった基本を守ることが、悪化を防ぐ第一歩になると考えられています。
自己流のストレッチで思うような変化が感じられない場合や、股関節の痛みが続く場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。一宮市周辺で股関節の痛みにお悩みでしたら、一宮整骨院〜Seri〜にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地:愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話:058-652-4101
ご予約:https://ichinomiyaseitaiin.com/contact
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、股関節の痛みでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 股関節が痛いとき、ストレッチはしてもいいですか?
A. 強い痛みや熱感がある急な時期は、無理に伸ばさず安静を優先するのが一般的です。痛みが落ち着いてきたら、気持ちよく感じる範囲でゆっくり伸ばします。痛みが出る動きは中止してください。時期に合わせて動かし方を変えることが大切です。
Q. 痛みが落ち着いてきたら、どのくらいの強さでストレッチすればいいですか?
A. 痛みを感じない範囲で、じんわり伸びを感じる程度にとどめます。反動をつけず20〜30秒ほどゆっくり行い、呼吸は止めないでください。翌日に痛みが増えるなら強すぎるサインなので、強度を下げましょう。
Q. ストレッチをしても痛みが変わらない場合はどうすればいいですか?
A. 数週間続けても変化がない、夜間も痛む、歩きにくいときは、整形外科で原因を確認してください。当院は柔道整復師であり、医師ではないため診断はできませんが、体の状態を見て無理のない動かし方をお伝えします。自己判断で続けるより、状態を確認してから進めると安心です。






