ランニングを始めてから、あるいは距離を伸ばしてから、走るたびに股関節のあたりがズキッとする、痛みで途中から歩幅を変えてしまう——そんな経験をされている方は少なくありません。「走り込みが足りないだけかもしれない」「そのうち慣れる」と我慢しながら続けてしまい、かえって痛みが長引いてしまうケースもよく見られます。趣味のジョギングであっても、健康のために始めたウォーキング代わりのランニングであっても、股関節の違和感を抱えたまま走り続けるのは体への負担が大きいものです。今回は、走ると股関節が痛くなる背景にある考え方や、フォーム・使いすぎ・着地の衝撃・お尻の筋力といった要素との関係、そして休養との付き合い方について、柔道整復師の立場からお伝えします。
走ると股関節が痛くなるのはなぜ?考えられる原因
ランニング中や後に股関節が痛む場合、原因は一つとは限らず、いくつかの要素が重なっていることが多いと考えられています。代表的なものとして、走るフォームの癖による関節への偏った負担、練習量や頻度の急な増加によるオーバーユース(使いすぎ)、着地時の衝撃の吸収がうまくいっていないこと、そしてお尻まわりの筋力低下による骨盤の不安定さなどが挙げられます。これらは単独で起こることもあれば、互いに影響し合って痛みを強めていることもあります。まずは「なぜ自分の場合に負担が集中しているのか」を知ることが、痛みと付き合っていくための第一歩になります。
なお、股関節の痛みの原因については、股関節そのものの構造や年代による違いなど、より広い視点からの解説を股関節が痛い原因とはでまとめていますので、あわせてご覧ください。
ランニングフォームと股関節への負担の関係
走るときのフォームは、股関節にかかる負担の大きさや向きに直結すると考えられています。例えば、骨盤が左右や前後に大きく揺れる、着地の際に膝が内側に入りやすい、歩幅を必要以上に大きく取ろうとするといった癖があると、股関節の一部分に繰り返し負担がかかりやすくなります。また、上半身が反り気味だったり、逆に前かがみになりすぎていたりすることも、股関節から膝、足首までの連動を崩す要因になり得ます。フォームの癖は自分では気づきにくいため、家族に動画を撮ってもらう、鏡のある場所で走ってみるなど、客観的に確認できる方法を取り入れてみるのもひとつの手です。
オーバーユース(使いすぎ)と着地の衝撃について
「もっと走れるようになりたい」という気持ちから、距離や頻度を一気に増やしてしまうと、股関節まわりの組織が回復する時間を確保できないまま負担が積み重なっていきます。これがいわゆるオーバーユース(使いすぎ)の状態で、痛みや張りとして表れやすいと考えられています。また、ランニングは着地のたびに体重の何倍もの衝撃が足から股関節、腰へと伝わる動作です。この衝撃をうまく吸収できていないと、股関節に負担が集中しやすくなります。硬いアスファルトばかりを走っている、シューズのクッション性が合っていないといったことも、衝撃の伝わり方に影響する要素のひとつです。走る距離や頻度は少しずつ段階的に増やしていくこと、そして時には練習の強度を落とす日をつくることが、負担を蓄積させないために大切だと考えられています。
お尻の筋力低下と股関節の安定性
股関節を安定させる役割を担っている筋肉のひとつに、お尻の筋肉(殿筋)があります。この筋肉の働きが弱くなると、走っているときに骨盤が横に傾きやすくなり、片脚で着地するたびに股関節へ偏った負担がかかりやすくなると考えられています。デスクワークや長時間の座り姿勢が多い生活を送っていると、お尻の筋肉が使われにくくなり、いざ走るときにうまく働かないということも珍しくありません。ランニング前のウォームアップにお尻まわりを意識した運動を取り入れる、走る以外の日にも軽い運動でお尻の筋肉を使う機会をつくるといった工夫が、股関節の安定性を保つ助けになる可能性があります。
走る前後にできるセルフケアと休養の考え方
痛みがあるときに無理をして走り続けることは、回復を遅らせてしまう可能性があります。まずは痛みの程度を確認し、強い痛みや歩行にも影響するような場合は、休養を優先することをおすすめします。走る前には股関節まわりを軽く動かすウォームアップを、走った後には脚全体をゆっくり伸ばすクールダウンを取り入れることで、筋肉や関節への負担を和らげるサポートになると考えられています。また、練習日と休養日のバランスを見直し、痛みが出ている期間はランニング以外の低負荷な運動に置き換えるなど、無理のないペース配分を意識することも大切です。休むことは後退ではなく、長く走り続けるための必要なプロセスだと捉えていただければと思います。
なお、痛みが強い、長く続く、腫れや発熱を伴うといった場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、整形外科などの医療機関で状態を確認していただくことをおすすめします。診断や画像検査、手術が必要かどうかの判断は医師の領域となります。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
一宮整骨院〜Seri〜では、痛む股関節だけを診るのではなく、なぜそこに負担と滞りが集まったのかを全身から探すという姿勢を大切にしています。ランニングによる股関節の痛みも、股関節単体の問題として捉えるのではなく、体全体のつながりの中で考えていく「KIRIN整体」という考え方に基づいてサポートしています。
関節と筋膜を整える
股関節は、関節そのものの動きと、筋膜と呼ばれる体を包む膜のなめらかな滑りがセットになって働いていると考えられています。走る中で生じた動きのわずかなエラーや、筋膜の滑りの低下を整えることで、本来の股関節の動きを引き出すサポートを行います。
神経の通り道を整える
神経が周囲の組織にひっかかり、血の巡りが落ちてしまうと、しびれや痛みにつながることがあると考えられています。ランニングによる繰り返しの負担で神経の通り道が圧迫されている場合、その滑り道をゆるめる視点からサポートを行います。
姿勢と全身のつながりを整える
股関節の痛みは、足裏のアーチ、膝、骨盤、腰の使い方が連鎖して生まれやすいものです。お尻の筋肉が弱ると骨盤が傾き、股関節に負担が偏りやすくなるという全身のつながりを踏まえ、フォームの癖や姿勢のクセを含めて整えていくことを目指します。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や体の巡りの滞りは、疲労からの回復力を下げる要因になると考えられています。横隔膜(呼吸を支える筋肉)の動きや呼吸、血流、自律神経(体の状態を無意識に調整している神経の働き)のバランスを整えることで、痛みが出にくく、回復しやすい体の土台をつくるサポートを行います。
医療機関との併用
診断や画像検査、手術が必要かどうかの判断は、整形外科など医療機関の医師の領域です。まずは医療機関で股関節の状態を確認していただき、日々のセルフケアや体づくりの部分を当院がサポートするという、併用の形をおすすめしています。
股関節痛とランニングというテーマに関連して、股関節まわりの筋肉と痛みの関係を詳しく知りたい方は股関節痛と筋肉の関係を、サッカーなど他のスポーツ動作での股関節痛が気になる方は股関節痛とサッカーを、痛みが出たときにまず何をすればよいか知りたい方は股関節が痛い時の対処法もあわせてご覧ください。
まとめ
走ると股関節が痛むという悩みには、フォームの癖、オーバーユース(使いすぎ)、着地の衝撃、お尻の筋力低下など、いくつかの要素が重なって影響している可能性があります。ひとつずつ見直しながら、無理のないペースで練習と休養のバランスを整えていくことが大切だと考えられています。痛みが強い場合や長く続く場合は、我慢して走り続けるのではなく、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
股関節の痛みが続く場合は、早めの対応が大切です。愛知県一宮市周辺でランニング中の股関節の痛みにお悩みでしたら、名鉄尾西線・苅安賀駅近くの一宮整骨院〜Seri〜にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地:愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話:058-652-4101
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