「親指の付け根が痛む」「親指を動かすと手首まで響く」——スマートフォンの操作や家事、抱っこなど、親指を酷使する場面は日常に多くあります。親指まわりの腱鞘炎は、痛む場所によって考えられる状態が異なるのが特徴です。ここでは、親指に起こる腱鞘炎の特徴と、痛む場所ごとの違い、日常でのケアの考え方を整理します。強い痛みやしびれがある場合は自己判断で様子を見続けず、医療機関(整形外科)への相談を優先してください。
手や指の痛み・しびれ(腱鞘炎・ばね指)を「動き」と「全身のつながり」で捉える当院の視点
指や手首の痛み・引っかかり感は、腱そのものだけでなく、腱を包む腱鞘や周囲のファシア(筋膜)の滑走性が低下し、関節の細かな副運動にわずかな乱れが生じていると考えられます。手首から前腕、肘へと続く筋肉やファシアの連鎖の中で負担が偏ると、一部の組織に滑走の乱れが起こりやすくなるとも考えられます。
一方で、猫背や巻き肩といった姿勢の崩れは腕の使い方そのものを変化させ、血流やリンパの循環にも影響し得る要因です。当院では局所の動きへのアプローチと全身の姿勢・循環を整えるアプローチを役割分担しながら組み合わせ、体が本来持つ回復力を引き出しやすい環境づくりをサポートすることを目指しています。
なお本セクションは診断・治療や効果を保証するものではなく、痛みやしびれが強い場合・悪化する場合は医療機関の受診をお勧めします。
親指の腱鞘炎とはどんな状態か
腱鞘炎は、腱と、それを包む「腱鞘」というトンネル状の組織の間で、繰り返しの摩擦や負担によって炎症のような変化が起こり、痛みや腫れ、動かしにくさが生じる状態と一般に説明されます。親指も日常的によく動かす部位のため、腱鞘炎が起こりやすい場所のひとつです。
親指まわりの痛みは、大きく分けて「親指の付け根」に出るタイプと、「手首の親指側」に出るタイプがあります。痛む場所によって関わる腱や考えられる状態が異なるため、まずはどこが痛むのかを整理しておくと状況を把握しやすくなります。
痛む場所で異なる2つのタイプ
親指の付け根が痛む場合
親指の付け根、手のひら側でものをつまむ・握る動作のときに痛みや引っかかり感が出る場合は、指を曲げ伸ばしする屈筋腱まわりの腱鞘炎、いわゆる「ばね指」に近い状態が関わっていることがあります。指が曲げ伸ばしの途中でカクンと引っかかるような感覚を伴うこともあります。
手首の親指側が痛む場合
手首の親指側、物をつかむ・手首を小指側に曲げる・スマホを長時間持つといった動作で痛みが出る場合は、その部位を通る腱の腱鞘炎である「ドケルバン病」が関わっていることがあります。ドケルバン病は手首の親指側を通る2本の腱とその腱鞘に起こる腱鞘炎で、腱鞘炎の一種と位置づけられています。詳しい仕組みはドケルバン病とはでも解説していますので、手首側の痛みに心当たりがある方はあわせてご確認ください。
なお、これらはあくまで一般的な傾向であり、実際にどの腱がどの程度関わっているかを見極めるのは医療機関の診断領域です。セルフチェックはあくまで目安として捉えてください。
親指に負担がかかりやすい主な原因
親指の腱鞘炎は、繰り返しの動作による使いすぎが背景にあるとされています。
- スマートフォンを片手で長時間操作する(フリック入力・スクロール)
- パソコンでのマウス操作、キーボード入力
- 家事(包丁を使う・雑巾を絞る・瓶のふたを開ける)
- 抱っこや授乳など、育児での手の酷使
- 妊娠・産後・更年期などのホルモン変化が関与するとされることもある
これらが複合的に重なることで、親指まわりに負担が蓄積しやすくなると考えられています。腱鞘炎全体の仕組みや原因については腱鞘炎とはでも整理していますので、あわせてご覧ください。
セルフチェックと受診の目安
以下のような状態が見られる場合は、早めに整形外科への相談を検討してください。
- 親指や手首の痛みが数日以上続く、あるいは強くなっている
- 腫れやこわばりがはっきりしている
- 指を動かすたびに引っかかりが強く出る
- 痛みで日常の動作(物をつかむ・字を書く)がつらい
これらはあくまでセルフチェックの目安であり、確定的な判断は医療機関で行われます。フィンケルシュタインテストのような誘発テストも医師が診断に用いるものです。自己判断で強く親指を反らせたり、無理に動かして確認したりすることは避けましょう。
日常でできるケアの考え方
医療機関での診断や治療は医師の領域ですが、日常生活の中では負担を減らす工夫が助けになると考えられています。
- 痛みが強い動作(スマホの片手操作・つまみ動作など)をできる範囲で控える
- 親指を含めて固定できるサポーターやテーピングで負担を分散する
- 痛みが落ち着いている時期は、無理のない範囲でのストレッチを取り入れる
テーピングは補助的な位置づけであり、貼る位置や強さを誤ると逆に負担がかかることもあるため、注意点を腱鞘炎のテーピングで確認しておくと安心です。当院でも、日常での手の使い方の見直しや負担軽減のご相談、施術によるケアのサポートを行っています。ただし診断や治療、注射・手術は医師の領域であり、当院で行うものではありません。
手や指の痛みとKIRIN整体(当院のケアの考え方)
一宮整骨院〜Seri〜では「KIRIN整体」という考え方に基づき、体の状態を確認しながらコンディショニングを行っています。手や指の痛みに対しても、次の4つの視点から状態を確認します。
- ①関節と筋膜を整える:手首・指・前腕まわりの関節の動き、筋膜の状態を確認します。
- ②神経の通り道を整える:腕から手指にかけての神経の通り道に負担がかかっていないかを確認します。
- ③姿勢と全身のつながりを整える:肩や姿勢のクセが手の使い方に影響していないかを見直します。
- ④呼吸と巡りを整える:呼吸のしやすさや全身の巡りにも目を向け、体全体のバランスを確認します。
これらは体の状態を確認しながらケアの方向性を考える視点であり、腱鞘炎・ばね指(手や指の痛み)そのものを治す・治療するものではありません。
まとめ
親指の腱鞘炎は、痛む場所によって「親指の付け根」タイプと「手首の親指側(ドケルバン病)」タイプに大きく分かれ、いずれも繰り返しの動作による負担が背景にあると考えられています。セルフチェックはあくまで目安にとどめ、痛みが続く・強くなる場合は整形外科への相談を優先してください。日常でのケアや負担軽減については、当院でもご相談いただけます。
一宮市で腱鞘炎・ばね指(手や指の痛み)のご相談は一宮整骨院〜Seri〜へ。名鉄尾西線・苅安賀駅 徒歩8分。お電話(058-652-4101)またはご予約フォーム(/contact)から。
一宮整骨院〜Seri〜の施術について
一宮整骨院〜Seri〜は、KIRIN整体グループ共通の施術教育に基づき、2つのアプローチを組み合わせて施術を行っています。
- FJA理論(筋膜・関節アプローチ):痛みの出ている部分の関節に起きている「動きの小さなエラー」と、筋肉・筋膜の滑らかさ(滑走性)に着目し、局所の動きを整えるアプローチです。
- 姿勢循環整体:体を一つのつながりとして捉え、姿勢と血流などの「循環」を整えることで、体が本来持っている回復に向かう力を引き出すことを目指す全身のアプローチです。
「痛い場所」への局所的な施術と、その背景にある姿勢や全身のバランスへの施術を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて行うのが当院の特徴です。
一宮整骨院〜Seri〜(愛知県一宮市・苅安賀駅 徒歩8分)では、手や指の痛み・しびれでお悩みの方のご相談を受け付けています。「この痛みはどうしたらいいの?」という段階のご質問でも構いません。
この記事の執筆・監修
三ツ村 崚聖(みつむら りょうせい)
KIRIN整体グループ 代表|きりん接骨院 名駅院 院長
柔道整復師(国家資格)|FJA東海地区講師|臨床歴20年以上・延べ11万回以上
姿勢循環整体・自律神経整体を軸に、検査で異常が出ない不調や成長期のスポーツ障害に向き合う。
よくある質問(FAQ)
Q. 親指の付け根が痛い時、腱鞘炎の可能性はありますか?
A. 親指の付け根から手首の親指側にかけての痛みは、腱鞘炎で見られることがあります。ただし別の原因もあるため、当院では診断はできません。痛みが続く時は、医療機関で確認してもらってください。自己判断で強く揉んだり動かしたりせず、まずは親指を休ませましょう。
Q. 親指の腱鞘炎の時、日常でどんな点に気をつければいいですか?
A. 物をつまむ、強く握る、スマホを親指で長時間操作するなどの動きは、負担になりやすいです。使う時間を減らし、両手を使うなど、親指への負荷を分散する工夫をしてみてください。痛みが強い時は、サポーターなどで補助するのも一つの方法です。
Q. 親指の痛みがどうなったら受診した方がいいですか?
A. 腫れや熱感が強い、親指を動かすと引っかかる、休んでも1〜2週間以上痛みが続く、しびれがある場合は医療機関の受診をおすすめします。当院は柔道整復師であり、医師ではないため診断はできません。早めの確認が安心につながります。






