椅子から立ち上がるときに股関節がズキッとする、長く歩くと脚の付け根が重だるい、そんな状態が続くと「もしかして骨や関節そのものに問題があるのでは」と不安になりますよね。もちろん骨や関節の状態を確認することも大切ですが、実は股関節の痛みの背景には、股関節を支える「筋肉」の硬さや衰えが関係していることがあります。特にお尻の筋肉、股関節の奥にある筋肉、内ももの筋肉は、普段あまり意識されないぶん、気づかないうちに硬くなったり弱くなったりしやすい部分です。今回は、筋肉という切り口から股関節痛を考えてみます。
股関節の痛みと筋肉の関係とは
股関節は骨と骨がただ組み合わさっているだけでなく、その周りを何本もの筋肉が取り囲み、支えることで安定して動いています。筋肉がバランスよく働いていれば、股関節にかかる負担は分散されますが、一部の筋肉が硬くなったり、逆に弱くなって働きにくくなったりすると、股関節の一点に負担が集中しやすくなると考えられています。特に関わりが深いとされるのが、お尻の筋肉である中殿筋(ちゅうでんきん)、股関節の奥で体幹と脚をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)、そして内ももの内転筋です。これらはいずれも日常生活で酷使されやすい一方、意識的に動かす機会は少なく、硬さや衰えに気づきにくい筋肉といえます。
お尻の筋肉「中殿筋」の衰えと股関節への負担
中殿筋は骨盤の横についている筋肉で、片脚立ちのときに骨盤を水平に保つ働きを担っています。この筋肉が弱ると、歩くたびに骨盤が左右に揺れやすくなり、その揺れを股関節周りの他の筋肉や関節が無理に支えることになります。結果として、股関節の外側や付け根に負担が偏りやすくなると考えられています。デスクワークや車移動が多く、歩く機会が少ない生活が続くと、中殿筋は使われないまま弱くなりやすい筋肉のひとつです。階段の上り下りや片脚立ちで脚がグラつきやすいと感じる場合は、この筋肉の働きが関係している可能性があります。
股関節の奥で働く「腸腰筋」の硬さ
腸腰筋は背骨や骨盤の内側から股関節の前側にかけて伸びる筋肉で、脚を持ち上げたり、姿勢を支えたりする役割があります。長時間座った姿勢が続くと、股関節が曲がったままの状態が長く続くため、腸腰筋が縮こまって硬くなりやすいといわれています。硬くなった腸腰筋は、立ち上がったときや脚を後ろに伸ばしたときにうまく伸びず、股関節の前側に突っ張るような違和感や痛みにつながることがあります。子育て中でしゃがんだり抱っこしたりする動作が多い方、また一日中座り仕事の方は、特にこの筋肉の硬さが影響しやすい環境にあるといえるでしょう。
内ももの筋肉(内転筋)の低下と姿勢の乱れ
内ももにある内転筋は、脚を内側に閉じる働きに加え、骨盤を安定させる役割も担っています。この筋肉が弱くなると、立っているときや歩いているときに膝が内側に入りやすくなったり、骨盤が不安定になったりして、股関節に負担がかかりやすい姿勢になることがあります。内転筋は日常生活の中で積極的に使う場面が少なく、加齢や運動不足によって衰えやすい筋肉のひとつです。内もものハリや冷えを感じやすい方は、筋肉の使われ方に偏りが出ている可能性も考えられます。
デスクワーク・運動不足が筋肉を硬く弱くする理由
これらの筋肉に共通するのは「長時間同じ姿勢でいることで硬くなる筋肉」と「使われないことで弱くなる筋肉」が同時に存在している点です。座りっぱなしの姿勢は腸腰筋を縮めて硬くする一方、中殿筋や内転筋のように姿勢を支える筋肉は働く機会を失い、弱くなっていきます。硬い筋肉と弱い筋肉が同時に存在すると、股関節はバランスを崩しやすくなり、日々の負担が少しずつ蓄積していくと考えられています。忙しい毎日の中で運動の時間を確保するのが難しいという方は多いと思いますが、まずは座り方や姿勢を見直すことから始めてみるのもひとつの方法です。
一宮整骨院〜Seri〜の「KIRIN整体」という考え方
一宮整骨院〜Seri〜では、痛む股関節だけを診るのではなく、なぜそこに負担と滞りが集まったのかを全身から探す「KIRIN整体」という考え方を大切にしています。筋肉の硬さや衰えが関係する股関節痛に対しては、特に次の視点からのサポートを行っています。
関節と筋膜を整える
股関節は「関節の動き」と、筋膜と呼ばれる体を包む膜のなめらかな滑りがセットになって働いています。中殿筋や腸腰筋、内転筋の動きにわずかなエラーや滑りの低下があると、股関節本来の動きが引き出されにくくなります。関節と筋膜の両面から動きを整えるサポートを目指します。
神経の通り道を整える
筋肉が硬くなると、その近くを通る神経が周囲の組織にひっかかりやすくなり、血の巡りが落ちることでしびれや痛みにつながると考えられています。腸腰筋や内転筋の硬さがある場合、神経の滑り道をゆるめる視点からのケアも取り入れています。
姿勢と全身のつながりを整える
股関節痛は、お尻の筋肉の働きが弱ることで骨盤が傾き、その傾きが膝や腰、足裏のアーチにまで連鎖して生まれやすいものです。中殿筋・腸腰筋・内転筋という個別の筋肉だけでなく、足元から骨盤、背骨までのつながりを全身から整えるサポートを行います。
呼吸と巡りを整える
浅い呼吸や体の巡りの滞りは、筋肉の回復力を下げる一因になると考えられています。呼吸を支える横隔膜(肋骨の下にあり呼吸を助ける膜状の筋肉)の動きや、血流、自律神経(体温や内臓の働きなどを無意識に調整している神経)のバランスを整えることで、痛みが出にくく、回復しやすい体の土台をつくることを目指しています。なお、これは呼吸や巡りのコンディショニングであり、内臓の治療を行うものではありません。
医療機関との併用
股関節の痛みの原因を正確に把握するための診断や、レントゲン・MRI・エコーなどの画像検査、手術の判断は医師(整形外科)の領域です。まずは医療機関で股関節の状態を確認していただき、そのうえで日々のケアや筋肉のバランスを整える体づくりを当院がサポートするという、併用の形をおすすめしています。
日常生活でできるセルフケアのポイント
筋肉の硬さや衰えは、日々のちょっとした心がけで変化していく部分でもあります。長時間座り続けず、1時間に一度は立ち上がって股関節を軽く動かす、椅子に座るときは足を組まず骨盤を立てて座る、片脚立ちで靴下を履くなど、小さな動作の中でお尻や内ももの筋肉を意識してみることから始めてみてください。ただし、痛みが強いときや動かして悪化するような場合は、無理に動かさず、まずは安静にして状態を確認することが大切です。
まとめ
股関節の痛みには、お尻の筋肉(中殿筋)、股関節の奥にある腸腰筋、内ももの内転筋といった筋肉の硬さや衰えが関係していることがあります。デスクワークや運動不足が続くと、これらの筋肉は硬くなったり弱くなったりしやすく、股関節への負担が偏る一因になると考えられています。姿勢や座り方を見直すことに加え、専門家の視点からのサポートを取り入れることも、股関節と長く付き合っていくうえでの選択肢のひとつです。
股関節の痛みが続く場合は、早めの対応が大切です。一宮市周辺で股関節の痛みにお悩みでしたら、一宮整骨院〜Seri〜にご相談ください。
一宮整骨院〜Seri〜
所在地:愛知県一宮市(名鉄尾西線・苅安賀駅)
電話:058-652-4101
ご予約はこちら:https://ichinomiyaseitaiin.com/contact






